司法書士:不動産登記法|受験のための用語集

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司法書士試験に必須の不動産登記法の暗記項目を、わかりやすくまとめてみました。

参考になれば幸いです。

記事を書いた人
  • 九州を拠点に自動車販売店を経営
  • 2015年より金融系ブログ作成
  • 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次

あ行

異時配当

共同抵当権を実行して、目的物である不動産を1つずつ別々に競売し、その代金によって弁済を受けること

一部抹消登記

登記の一部が誤っている場合に、その誤った部分を取り除く登記(更正登記)移転登記

オンライン申請

  • オンラインで申請した場合、補正もオンラインで、取下げもオンラインでする
  • オンライン申請をした申請人は、申請書および添付書面の受領証の交付を請求することができない(商業登記は可能)

か行

買戻権

買戻権の移転の登記は、売買による所有権移転登記と同時にする必要があり、所有権移転登記申請と同一番号で受け付け、その付記登記で行う

買戻権を行使した場合、買戻権の登記の抹消は職権でなされる

元本確定

元本確定は、根抵当権者と根抵当権設定者の合意や、一定の事由が発生することで決まる

  • 根抵当権者が、抵当不動産につき競売又は物上代位による差押えを申立てたとき (現実に競売手続の開始又は差押えがあったときに限られる)
  • 国・公共団体が、抵当不動産に対し滞納処分による差押えをしたとき
  • 根抵当権者が、第三者による抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えのあったことを知ったときから、2週間を経過したとき
  • 債務者又は根抵当権設定者が、破産手続開始の決定を受けたとき

元本が確定した時に存在する元本債権および利息、損害金とその後にその元本債権から発生する利息、損害金が極度額を限度として担保される

共同抵当権

1つの債権を担保するために、複数の不動産に抵当権を設定すること

工場財団

  • 所有権保存登記をして抵当権を設定する
  • 所有権保存登記後、6か月以内に抵当権設定の登記がなされないときは、所有権保存登記は失効する
  • 抵当権の登記が全部抹消された後、6か月以内に新たな抵当権の設定の登記を受けないときは、工場財団は消滅する
  • 6か月の経過を待たずに工場財団を消滅させるときは、工場財団の消滅の登記を申請することができる(所有権の登記名義人の単独申請)

更正登記

登記された権利の内容の一部が、実体と違う場合にされる(一部抹消登記)

利害関係を有する第三者の承諾がある場合及び第三者がない場合、付記登記で実行されるが、承諾がなければ主登記で実行される(所有権の更正登記は必ず付記登記)。所有権の更正登記は実質的に所有権一部抹消であり、不動産登記法68条の登記の抹消における利害関係人の承諾と同じ意味あいがあるから

さ行

敷地権

建物の所有権と土地の共有持分権を、別々に売却できないように登記(土地と建物が一体となって登記されている)された権利形態

敷地権である旨の登記は、必ず主登記になる

  • 敷地権が所有権の場合は甲区
  • 敷地権が地上権・賃借権の場合は乙区

指定債務者

相続開始後に、相続人の中から根抵当権の債務を負担するように定められた者

債務者の死亡後6か月以内に「指定債務者の合意の登記」をしなければ、相続開始時に元本は確定する

終局登記

登記本来の効力である対抗力を持つ登記

本登記ともいう

主登記

主登記の内容を変更するために行う登記

登記は原則として、主登記でされる

  • 抹消登記
  • 破産法による否認の登記
  • 所有権移転の登記
  • 所有権を目的とする処分の制限の登記
  • 敷地権である旨の登記
  • 権利の抹消回復登記
  • 先取特権の保存の登記
  • 自己信託(委託者=受託者)をした場合の信託財産となった旨の登記
  • 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記
  • 根抵当権の分割譲渡の登記
  • 抵当権の順位変更の登記
  • 所有権が工場財団に属した旨の登記

承諾証明情報

必要的承諾型(登記上の利害関係人の承諾書を添付しないと、登記申請が却下される場合)

任意的承諾型(登記上の利害関係人がいる場合で、承諾書を添付しないときは主登記、添付するときは付記登記で実行される場合)

職権

登記官が自ら開始するもの

  • 表示に関する登記
  • 管轄違いの登記の抹消
  • 登記事項以外の事項の登記を目的とする登記がされている場合の抹消
  • 権利に関する登記に錯誤又は遺漏がある場合の更正

申請・嘱託による登記に付随してなすもの

  • 買戻による権利取得の登記をなした場合の、買戻特約の登記の抹消
  • 権利消滅の定めにより登記を抹消した場合の、権利消滅の定めの付記登記の抹消
  • 表題部所有者の表示の抹消
  • 未登記不動産などの処分制限の登記の際になされる所有権の保存登記
  • 所有権の仮登記の本登記に伴う利害関係人の登記の抹消
  • 収用による所有権移転登記に伴う抹消
  • 要役地の登記
  • 不動産新築工事の先取特権の甲区への記載
  • 登記を抹消する場合の利害関係人の登記の抹消
  • 分割譲渡による原根抵当権の極度額減額
  • 仮処分に後れる登記を抹消したときの仮処分の登記の抹消
  • 保全仮登記に基づく本登記をなしたときの、保全仮登記とともにした処分禁止の登記の抹消

処分制限登記

所有権やその他の処分権能が制限されていることを公示する登記で、差押えや仮差押えなど

所有権

  • 所有権の更正登記は権利の一部抹消の実質を有するので、登記上の利害関係人がいる場合、第三者の承諾がある場合に限り申請することができる(必ず付記登記)。
  • 所有権の移転の登記の抹消を申請する場合には、その所有権を目的として登記された抵当権の登記名義人の承諾を証する情報を提供しなければならない
  • 所有権を目的とする抵当権の設定の登記請求権を保全するための処分禁止の登記は、主登記で実行する
  • 所有権以外の権利の移転は付記登記
  • 所有権に対して権利消滅の定めがある抹消登記は、共同申請による

所有権保存登記

  • 所有権保存登記を申請する場合(敷地権付区分建物について、74条2項により所有権保存登記を申請する場合を除く)、登記原因証明情報の提供を要しない

信託財産

委託者から信託銀行などの受託者に信託された財産

所有権を自己信託の対象とした場合における所有権が信託財産となった旨の権利の変更の登記は、主登記で行う

た行

単独申請

当事者間に対立がなく、登記義務者が存在しない場合、登記権利者は単独で権利に関する登記を申請できる 

  • 不動産の表示に関する登記
  • 所有権の保存登記(不登法74条)
  • 所有権保存登記の抹消(不登法77条)
  • 相続又は合併を原因とする移転登記(不登法63条2項)
  • 登記名義人表示変更・更正登記(不登法64条1項)
  • 抵当証券が発行されている抵当権についての債務者の表示変更・更正登記(不登法64条2項)

共同申請の例外

  • 収用による所有権の移転登記は、登記権利者が単独で申請できる
  • 非訟事件手続法に規定する除権決定があったときは、登記権利者は、単独で登記の抹消を申請できる
  • 仮登記の抹消は、仮登記の名義人が単独で申請できる(仮登記の登記名義人の承諾がある場合の利害関係人も同様)

代位登記

債権者が債務者に代わって申請する登記

  • 一筆の土地の一部分を購入した場合、その土地の所有者に代わって土地の分筆登記を代位申請することができる

賃借権

賃借権を先順位抵当権に優先させる旨の同意の登記は、主登記で行う

登記原因証明情報

権利に関する登記を申請する場合には、登記原因証明情報を提供しなければならない

登記原因証明情報の提供を要しない場合

  • 所有権保存登記を申請する場合(敷地権付区分建物について、74条2項により所有権保存登記を申請する場合を除く)
  • 「仮処分による失効」に後れる登記の抹消を申請する場合
  • 「混同」を原因とする権利に関する登記の抹消を申請する場合(所有権と抵当権などの混同によって、権利が消滅したことが登記記録上明らかな場合)
  • 買戻しの特約に関する登記の抹消を申請する場合

登記名義人表示変更(更生)登記

登記名義人の住所・氏名などが、実際と不一致がある場合にされる登記

同時配当

共同抵当権を実行して、目的物である不動産をすべて競売し、その代金によって弁済を受けること

債権者は、その不動産の競売価格の割合に応じて(按分)弁済を受ける

な行

根抵当権

根抵当権の定めの登記は、主登記が原則だが、例外的に根抵当権設定登記がされた後に新たな元本の確定期日を定めた場合や、元本の確定期日を変更・廃止した場合には、利害関係を有する第三者がいないため、付記登記で実行される

  • 根抵当権の極度額の変更(実体法に基づく承諾証明情報)は、利害関係を有する全員の承諾が必要で、常に付記登記
  • 利息の特別の登記(民法375条1項)は、抵当権の変更登記として行われ、利害関係を有する第三者がいない場合or承諾したことを証する情報を提供した場合は付記登記、それ以外は主登記

一部譲渡

根抵当権の一部譲渡をすると、譲渡人と譲受人とがともに1個の根抵当権を共有することになる

は行

判決による登記

63条1項の確定判決は、登記義務者の登記申請意思の表示に代わるものでなければならないため、登記義務者に登記申請手続きをすべき旨を命ずる給付判決

  • 抵当権の順位の変更登記について、申請人の一部が登記申請に協力しないときは、他の申請人は確定給付判決を得て、順位変更登記を申請することができる
  • 根抵当権設定者(権利者)が元本確定の登記手続きに協力しないときは、根抵当権者(義務者)は、元本確定の登記手続きを命ずる確定判決を得て、単独で元本の確定登記を申請することができる

付記登記

付記登記の目的

  • 主登記との同一性や関連性をわかりやすく公示するため
  • 主登記と同一の順位を有することを公示するため

付記登記で登記がされるのは、

  • 権利に関する既存の登記の変更・更生の登記をする場合
    (例外:登記上の利害関係人の承諾がない場合は主登記)
  • 所有権以外の権利の移転登記
  • 所有権以外の権利を目的とする登記

付記登記の例

  • 権利の消滅に関する定めの登記

不登法66条

権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる(任意的承諾書)

任意的承諾書の意義

任意的承諾の場合、利害関係人の承諾書があれば付記登記で、承諾書がなければ主登記でされる

  • 抵当権の債権額増額(利息の特別登記・利息の元本組入)→後順位担保権者
  • 抵当権の債権額減額(一部弁済・免除・放棄)→転抵当権者
  • 共有物分割禁止の定め→共有者
  • 持分上の抵当権者の承諾書(不動産の持分を訂正する場合)→共有者

不登法68条

権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り申請することができる(必要的承諾書)

68条の承諾書は常に必要

  • 所有権の更正登記(所有権の更正登記は必ず付記登記)
  • 所有権の抹消登記(所有権の抹消登記は必ず付記登記)

不登法72条

抹消された登記の回復は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる(必要的承諾書)

不登法109条

所有権 に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる

不動産登記令7条1項5号ハ

実体上、承諾書・許可書が 効力要件 となっており、 効力の発生を証するために要求される

承諾書・許可書を提供できなければ、申請は却下される

原因日付に影響する

  • 農地法の許可
  • 根抵当権の「全部」「分割」「一部譲渡」に対する設定者の承諾
  • 抵当権の順位変更
  • 根抵当権の極度額変更
  • 根抵当権の分割譲渡に対する転抵当権者
  • 根抵当権の共有者の権利移転のときの「他の共有者」の同意
  • 「工場財団に属する不動産」を目的とする「賃借権設定」に対する「抵当権者」の同意
  • 「工場財団目録」の記載事項の変更登記に対する「抵当権者」の同意
  • 不在者財産管理人の処分行為に対する「家庭裁判所の許可」
  • 相続財産管理人の処分行為に対する「家庭裁判所の許可」
  • 破産管財人の処分行為に対する「裁判所の許可」
  • 成年被後見人の「住居用の不動産」を処分する場合の「家庭裁判所の許可」
  • 「賃借権の先順位抵当権に優先する同意」の登記での・先順位抵当権者の同意
  • 権利能力なき社団「地縁団体」の「法人格取得の認可」

不動産登記令7条1項5号ハ

原因日付に影響しない

  • 未成年者に対する親権者の同意
  • 被保佐人に対する保佐人の同意
  • 被補助人に対する補助人の同意
  • 「取締役会議事録」「株主総会議事録」
  • 賃借人による「賃借権の譲渡」or「転貸」に対する「賃貸人」の承諾
  • 敷地権付区分建物の所有権保存に関する敷地権者の承諾

分割譲渡

根抵当権の分割譲渡の登記は、主登記で行われる変更登記

ま行

抹消回復登記

誤って抹消・更生・変更登記がなされたときに、従前の状態に回復する目的でされる登記

一部抹消回復登記は付記登記により、抹消回復登記は主登記による

抹消登記

登記された権利の内容の全部が実体と違う場合にされる

抹消登記は必ず主登記となる

や行

予備登記

対抗力とは直接関係のない登記

仮登記など

ら行

利害関係人

登記申請により不利益を受けることが、登記記録上明らかな者で、かつ申請者以外の者

大きいくまケン
くまケン
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この記事を書いた人

日々の相場の動きに動じない、「ほったらかし投資」についていろいろと語ってみました。
「ほったらかし投資」は、こころとからだにやさしい投資スタイルです。
今まで金融投資には興味が無かった方が、少しでも金融投資の世界に興味を持っていただけるとうれしいです。宮崎県出身 鹿児島大学法文学部卒 

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