株主優待をもらうだけの取引があるって本当かしら?
本当だモン。優待クロス取引というんだモン。
株主優待を狙って優待株を買ったら、権利落ち日後の株価下落で大損をしてしまったという経験はありませんか?
クロス取引(つなぎ売り)を知らずに株主優待ねらいの取引をすると、かなりの確率で損をしてしまいます。
わたし自身、今でこそ偉そうに優待クロス取引についてのブログを書いていますが、投資をはじめたころは何度も株主優待や配当金狙いで失敗したものです...。
権利確定日
権利付最終日までに株主優待株を買っていれば、株主優待の権利が手に入ります。
翌日の権利落ち日は、株主優待が目的だけの投資家が株を売るので、どうしても株価は下がりがちです。
株価が下がって損失がでれば、株主優待ゲットどころではありませんよね。
そこで優待クロス取引の出番です。
したがって、権利落ち日に株価が上がっても下がってもまったく気にならない取引なのです。
クロス取引
上図は、権利付き最終日に株価100円だった優待株が、権利落ち日には50円に下がったケースです。
たとえ権利落ち日に株価が下がっても、信用売り(空売り)の+50円が現物買いの-50円を消してくれます。
権利付最終日に優待株を持っていれば、1日だけの保有であっても株主優待をもらえる。
優待クロス取引は、1日だけの保有に目をつけた取引といってもいいでしょうね。
ただし、1日だけの保有では優待の権利をもらえない銘柄(めいがら)もあるのでご注意ください。
松井証券は2021年1月から「優待クロス注文機能」のサービスをはじめました。
1つの画面で「信用売り」と「現物買い」、さらには「清算」の予約までできる素晴らしい機能です。
本記事では、松井証券の優待クロス注文機能についてわかりやすく説明しています。
- 優待クロス注文機能の設定方法
- 優待クロス注文のメリット
- 優待クロス注文のデメリット
- 優待クロス注文の注意点
- 優待クロス注文もこころとからだにやさしい「ほったらかし投資」
優待クロス注文機能へようこそ💘
\ 充実したサポート体制 /
- 九州を拠点に自動車販売店を経営
- 2015年より金融系ブログ作成
- ほったらかし投資が座右の銘
優待クロス注文の設定方法
まずは優待クロス注文の設定方法について、図を使ってわかりやすく説明します。
優待クロス注文は、「お客様サイト」「株アプリ」だけからの発注となり、「ネットストック・ハイスピード」「株touch」からは発注できません。
お客様サイト|パソコン
優待クロス注文は、メイン画面の【日本株】⇒【優待クロス】をクリック。
【優待クロス<銘柄検索>】画面で取引したい銘柄の条件か銘柄コードを入力して、【検索】をクリック。
つぎに、表示された銘柄の【クロス注文】をクリック。
【注文内容入力】画面で、【取引区分】の【注文2】から【新規売(短期)】か【新規売(無期)】にチェックマークを入れて、【株数】【値段】を入力する。
*初期設定では【清算注文の予約】は【あり】になっています。
取引暗証番号を入力する。
注文内容入力画面だけで、3つの注文が入れられるから便利だわ。
最後は【株式取引】⇒【注文照会】画面で、注文内容を確認してください。
*信用売りを清算する注文は、現物買いが約定した後に発注されて、【執行条件:清算クロス】【状態:発注待】と表示されます。
つぎは、スマホでの注文方法について説明するモン。
株アプリ|スマホ
【銘柄検索】画面の【株主優待】をクリック。
銘柄を選んで【優待クロス注文へ】をクリック。
パソコン画面と同じように【取引区分】【株数】【値段】を入力後【注文確認画面へ】をクリック。
パソコン画面:スマホ画面の両方とも、「現物買い」「信用売り」「清算の予約」をひとつの画面で注文できるので、とても便利です。
優待クロス取引の ”愛好家” には、これ以上ないサービスだと思います。
松井証券|優待クロス注文のメリット
松井証券で優待クロス取引をするメリットは、主に4つです。
- 「1日の約定代金50万円以下」「25歳以下の方」は手数料が無料。
- ザラ場(取引期間中)でも発注できる。
- 清算注文の予約ができる。
- 短期信用プレミアム空売りの銘柄を取引できる。
上から順に説明します。
手数料が無料
松井証券は信用取引手数料も無料の対象で、「1日の約定代金50万円以下」「25歳以下の方」の取引手数料は無料です。
松井証券のボックスレート
1日の取引金額 | 26歳以上 手数料 | 25歳以下 手数料 |
50万円まで | 0円 | 0円 |
100万円まで | 1,100円 | 0円 |
200万円まで | 2,200円 | 0円 |
+100万円ごと | 1,100円加算 | 0円 |
1億円超え | 110,000円(上限) | 0円 |
25歳以下は、取引金額1億円超えでも手数料が無料だわ。
26歳以上でも、取引金額50万円以下は手数料が無料だモン。
1日の取引金額は50万円まで無料なので、クロス取引する銘柄は約定金額25万円以下にしぼりたいですね(現物買い25万円+信用売り25万円)。
ザラ場(取引期間中)でも発注できる
優待クロス取引は、現物買いと信用売りを別々に発注して同じ金額で約定させる必要があります。
しかし取引時間内に別々に注文を出した場合、現物買いと信用売りの約定金額に差が出てしまう可能性が高いです。
買いと売りの金額に差があると、損失がでる可能性が出てきます。
したがって、優待取りのクロス取引は取引時間外に注文しなければいけません。
しかし...
松井証券の「優待クロス注文機能」を使えば、現物買いと信用売りの約定を同時にしてくれるので、取引時間中であっても損をする可能性の少ないクロス取引ができます。
松井証券の注文受付時間と取引時間
注文受付時間 | 03:00〜15:30 17:00〜02:00 |
取引時間 | 08:20〜15:30 |
清算注文の予約ができる
優待クロス注文機能では、優待株の「現物買い」「信用売り」の注文と同時に「清算注文の予約」を入れられます。
すなわち、買いと売りの優待クロス注文に対して反対売買の清算注文を予約できるのです。
初期設定で、清算予約の注文日にあらかじめ株主優待の権利落ち日が設定されています。
とくに何もせずに優待クロス取引を手じまいできるので、とても便利ですね。
ちなみに、清算予約注文の取引手数料は無料です。
短期信用プレミアム空売りの銘柄を優待クロス取引できる
通常、値動きの大きい人気の空売り銘柄は、調達がむずかしくて多くは空売りできません。
しかし松井証券では、貸株料(年利1.8%)+プレミアム空売り料を払えば人気の銘柄も優待クロス取引できます。
*プレミアム空売り料は日々変動します。
なお、取引手数料はボックスレートと同じです。
松井証券|優待クロス注文のデメリット
松井証券の優待クロス注文には、2つのデメリットがあります。
信用売りできる銘柄数が少ない
空売りできる銘柄数の比較
証券会社 | 取り扱い銘柄数 |
auカブコム証券 | 約4,000銘柄 |
楽天証券 | 約4,000銘柄 |
SBI証券 | 約3,000銘柄 |
マネックス証券 | 約2,000銘柄 |
松井証券 | 約1,000銘柄 |
1,000銘柄を多いと思うか少ないと思うかは人それぞれでしょうが...
個人的には、「現物買い」「信用売り」「清算予約」の注文が、1つの画面でできる魅力の方が勝っていると感じます。
取引額が50万円を超えると取引手数料が割高になる
信用取引手数料の比較
1日の約定代金 | 松井証券 | SBI証券 アクティブプラン | SBI証券 スタンダードプラン |
~50万円 | 0円 | 0円 | 99円(~10万円) 148円(~20万円) 198円(~50万円) |
~100万円 | 1,100円 | 880円 | 385円(50万~) |
~200万円 | 2,200円 | 880円 | |
+100万円毎 | +1,100円 | +440円 | |
1億円~ | 110,000(上限) |
「50万円までの取引」「25歳以下の方」以外の手数料は、SBI証券の方が圧倒的に安いです。
優待クロス注文機能のメリットと、手数料の高さを天秤にかけてから取引をはじめてください。
優待クロス取引の注意点
配当金目当てには使えない
優待クロス取引は、権利付き最終日までに現物株式を買うので配当金(配当金が支払われる銘柄)相応の配当落調整金をもらえます。
しかし信用売りもしているので、配当金調整額を支払わなければいけません。
配当落調整金の流れ
配当金の全額に値する金額が権利落ち日に差し引かれる。
配当落調整金は買い手に、権利落ち日から2~3か月後に税金(20.315%)が引かれた金額が振り込まれる。
特定口座を利用していれば、引かれた税金は翌年に戻ってくる。
最終的には差し引きゼロになるのですが、上記の流れを覚えておいてください。
配当金目当ての場合には、優待クロス取引は無意味なので気をつけましょう。
一般信用取引銘柄から優待株を選ぶ
信用売りに人気がある優待株をクロス取引すると、逆日歩(ぎゃくひぶ)がかかることがあります(逆日歩とは?)。
逆日歩とは、在庫がなくなってしまった証券会社が、証券金融会社を通して機関投資家などから借りてくる費用のことです。
かりに逆日歩が1株あたり10円で100株保有していたら、1,000円も支払う羽目になります。
1,000円のクオカード1枚もらうために、1,000円の逆日歩を払うとなると...言わずもがなですね。
制度信用取引には逆日歩がかかるわ。
一般信用取引には逆日歩がかからないんだモン。
一般信用取引は、証券金融会社から株式を借りていないので逆日歩がかかりません。
一般信用取引は制度信用取引とくらべると若干貸株料が高めですが、逆日歩がかからない一般信用取引の銘柄をオススメします。
貸株料の金利差と逆日歩をくらべたら雲泥の差です。
松井証券の貸株料
取引 | 年利 |
制度信用取引 | 1.15% |
一般信用取引(短期14日) | 3.90%(上限) |
一般信用取引(無期限) | 2.00% |
取引するタイミング選び
一般信用取引
一般信用取引は、投資家と証券会社が直接取引を行います。
したがって、証券会社に在庫がない場合には取引できません。
一般信用取引で信用売りができる株数は、権利付き最終日が近づくにつれて減っていきます。
あまりにも早く優待クロス取引をすると、貸株料が重荷になる一方、最終日まで取引をひっぱると、取引ができなくなってしまいます。
優待クロス取引では、「株主優待の価値>総コスト」になることがもっとも重要です。
しかし取引をギリギリまで延ばしてしまうと、取引自体ができなくなる可能性もでてきます。
上記2つのバランスをうまく取って取引をはじめてください。
まとめ
- 一般信用取引の売りができること
- 売買手数料が安いこと
- 貸株料が安いこと
松井証券の優待クロス取引は、上記3つのポイントを完全ではないですがすべて満たしています。
約定金額50万円以上の手数料が、もう少し安かったらいいのにね。
だけど松井証券は、一般信用取引で空売りできる数少ない証券会社のひとつなんだモン。
通常の優待クロス取引であれば、「現物買い」「信用売り」「現渡し」を、それぞれ別々に注文する手間がかかってしまいます。
しかし優待クロス注文を使えば、3つの注文を1つの画面で行えます。
松井証券の優待クロス注文は、清算注文の予約まで1つの画面で終わるというすばらしいサービスです。
操作が1つの画面で終われば、失敗や間違いのリスクが大幅に減るので、投資初心者の方も安心して発注できるでしょう。
- 「ほったらかし投資」とは読んで字のごとく、商品を買ったあとは ”ほったらかし” ているだけの投資方法。
- 「ほったらかし投資」の中身はさまざまだが、投資のプロやAIに売買をまかせるというのが基本。
- 「ほったらかし投資」は、<初心者も始めやすい><少額から始められる><長期投資に有効な>投資方法。
\ 充実したサポート体制 /
それではまた。
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