ようやく日本でも、米国株の信用取引ができるモン。
2022年7月から、日本国内でも米国株の信用取引ができるようになりました。
米国市場には値幅制限(ストップ高・ストップ安)がないので、投資家を保護するという名目で米国株の信用取引はできませんでした。
米国株式の信用取引が7月から解禁される。日本証券業協会が解禁に向けて検討を重ね、このほど取引に必要なルールを整備した。信用取引が可能な米国株は約1300の大型銘柄とする。若年層を中心に米国株への投資意欲が高まっており、信用取引を解禁することにした。米国株の信用取引ができるようになることで、投資の幅が今まで以上に広がります。
日本経済新聞
現物取引+信用取引で投資の幅が2倍だわ。
米国株は多少の下げがあっても基本的にずっと右肩上がりです。
右肩上がりの米国株で信用取引をはじめてみませんか?
本記事では、信用取引についてわかりやすく説明しています。
- 日本でも米国株の信用取引がはじまったこと。
- 信用取引について。
米国株でも日本株でも、信用取引をはじめようと思っている方はぜひ読んでみてください。
米国株の信用取引へようこそ💘
- 九州を拠点に自動車販売店を経営
- 2015年より金融系ブログ作成
- ほったらかし投資が座右の銘
米国株の信用取引開始
前述したように、2022年7月から米国株の信用取引をはじめられるようになりました。
「最近の米国株人気のたかまり」「投資の機会をひろめる」などの理由により、日本証券業協会は米国株の信用取引の解禁を決めたようです。
日本証券業協会さん、ありがとうだモン。
米国の証券取引所に上場する約1,300の大型株が、あらたな信用取引の対象となりますが、日本株の信用取引よりも少々 ”きびしめ” の保証金が設定されています。
保証金とは証券会社に預ける資産のことで、証券会社に保証金や株式をあずけることで信用をつくります。
その信用により、証券会社からお金や株式を借りて、手持ち資金の約3.3倍の株式投資ができるのです。
日本株と米国株の信用取引
株式 | 日本株 | 米国株 |
取引できる銘柄 | 国内証券取引所 上場会社 | 米国証券取引所 約1,300の大型株 |
保証金率 | 約定代金の30%以上 | 約定代金の50%以上 |
保証金維持率 | 約定代金の20%~25%以上 | 約定代金の30%以上 |
上記のように米国株の保証金率と保証金維持率は、日本株とくらべてそれぞれ「20%」「5%~10%」高めに設定されています。
保証金率=保証金÷約定代金×100
30万円÷100万円×100=30%で保証金率は30%
保証金維持率=(保証金+or-株価の値動き)÷約定代金×100
(30万円ー10万円)÷100万円×100=20%で保証金維持率は20%
保証金率と保証金維持率
「SBI証券」「楽天証券」「マネックス証券」「auカブコム証券」は、それぞれ米国株の信用取引をはじめました。
信用取引
信用取引は怖いって聞いたことがあるわ。
しっかりと、信用取引を理解してから取引すれば大丈夫だモン。
前述したように、、信用取引は資産を証券会社にあずけて、証券会社からお金を借りて株式を買ったり、株式を借りて売ったりする取引のことです。
お金や株式を担保として証券会社にあずけることにより、信用取引は現物取引の約3.3倍の取引ができます。
約3.3倍の取引ができる→手持ち資金の約3.3倍を失う可能性...
手持ち資金の約3.3倍を失う可能性もあることが、”信用取引はこわい” といわれる理由です。
しかしながら、適切な取引をすれば必要以上に恐れることはありません。
適切な取引方法については追々説明していきます。
信用買い
先にも述べたように、信用取引には2つの取引があります。
1つは信用買いです。
手持ち資金100万円の現物取引であれば、100万円の株式しか買えません。
しかし手持ち資金を保証金にすれば、330万円の株式を買えるのです。
”手持ち資金の約3.3倍のレバレッジ取引”
ただし相場が期待しないほうに向かうと大変なことになります。
現物取引と信用取引の例
取引方法 | 株価が半分になった | 資産 | 負債 |
【現物取引】 手持ち資金100万円で 100万円の株を買った | 100÷2=50万円 50万円の損失 | 50万円 | 0円 |
【信用取引】 保証金100万円で 300万円の株を買った | 300÷2=150万円 150万円の損失 | 0円 | 50万円 |
手持ち資金100万円で100万円の株を現物買いし、その後株価が1/2になれば、「損失は50万円」「残る資産は50万円」「負債は0円」。
レバレッジ3倍で300万円の株を信用買いし、その後株価が1/2になれば、「損失は150万円」「残る資産は0円」「負債は50万円」。
上記のように、手持ち資金が0円になるどころか、負債をかかえてしまうおそれがあることから ”信用取引はこわい” といわれるのです...。
信用取引はレバレッジ3.3倍
信用取引では約3.3倍ものレバレッジをかけられますが、「失っても問題ないお金」に収まるようにレバレッジを設定してください。
ムリのないレバレッジを設定することにより、相場の急な変動に動揺することもなくなります。
レバレッジを「失っても問題ないお金」に設定すれば、こころとからだにやさしい「ほったらかし投資」がはじまります。
また、おだやかに取り引きすることにより、信用取引のメリットを上手に活かせるようになるでしょう。
金利
信用買いはお金を借りたままの取引なので、金利を払わなければいけません。
取り引きしている期間が長引くほどに金利はのしかかってきます。
できるだけ早めに決済するようにこころがけてください。
なお、信用買いには制度信用と一般信用の2つの取引があります。
制度信用取引
- 証券取引所の審査をパスした優良銘柄のみの取引。
- 返済期限は6か月以内。
- 金利は低め。
- 逆日歩(ぎゃくひぶ)が発生することがある。
制度信用取引の流れ
一般信用取引
- 投資家と証券会社が直接取引する。
- 証券会社が独自に金利や返済の期限を決められる。
- 金利は高め。
- 逆日歩は発生しない。
一般信用取引の流れ
主なネット証券会社の金利
証券会社 | 金利 制度信用取引 | 金利 一般信用取引 |
SBI証券 | 2.80% | 0.00%(日計り) 2.80%(無期限) |
楽天証券 | 2.80% | 0.00%(いちにち) 2.80%(無期限) |
松井証券 | 3.10% | 000%~1.80%(一日) 4.10%(無期限) |
2.80% | ー | |
CONNECT | 2.00% | ー |
くり返します。
できるだけ早めに決済するようにこころがけてください。
信用売り
もう一つの信用取引は信用売りです。
信用売りは、一般的に空売りと呼ばれています。
信用売りは図を見てもらったほうが理解しやすいので、図で説明します。
空売りの説明図
株価が900円のときに株式を借りる。
株式を900円で借りたと同時に900円で売る(900円が手元に残る)。
株価が800円に下がったときに株式を買う(800円を払う)。
株価800円で買った株式を返す。
手元に残った100円が利益(900円-800円=100円)。
実際の信用売りのやりとりは、証券会社から株式を借りて、株式市場で買い戻した株式を証券会社に返します。
信用売りは、相場が下がっているときにも利益をだせるとても魅力のある投資方法です。
しかし「株価上昇が無限」の信用売りは、「株価が0円になるという損失限定」の信用買いと違い、損失が無限になるとても恐ろしい投資方法でもあります。
貸株料
信用売りにも信用買いと同じように金利が発生します。
信用売りで発生する金利を貸株料といい、信用買いと同じように制度信用と一般信用があります。
主なネット証券会社の「制度信用貸株料」「一般信用貸株料」
証券会社 | 制度信用 貸株料 | 一般信用 貸株料 |
SBI証券 | 1.10% | 0.00%(日計り) 3.90%(短期) 1.10%(無期限) |
楽天証券 | 1.10% | 0.00%(いちにち) 3.90%(短期) 1.10%(無期限) |
松井証券 | 1.15% | 000%~1.80%(一日) ~3.90%(短期) 2.00%(無期限) |
1.15% | ー | |
CONNECT | 1.00% | ー |
信用買いの金利と同じように、取り引きしている期間が長引くほどに貸株料はのしかかってきます。
できるだけ、早めに決済するようにこころがけてください。
逆日歩(ぎゃくひぶ)
投資家が証券会社から株式を借りるとき(空売り)に、人気株は足りなくなることがあります。
株式が足りなくなると、証券会社は「証券金融会社」を通して機関投資家などから株式を借りるのですが、その株式を借りる費用を逆日歩といいます(証券金融会社とは?)。
逆日歩
「売り手は逆日歩を支払う」「買い手は逆日歩をもらえる」という2つが、株式の在庫不足を解消する役目を果たします。
貸株料などほかの手数料は、取引をはじめる前からわかっていますが、逆日歩は事前にわかりません。
ある日突然発生します。
金利が安い制度信用か?
逆日歩が発生しない信用取引か?悩ましいモン。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
それぞれの特徴を理解して取り引きしてください。
まとめ
株式相場がとつぜん暴騰・暴落したとしても、現物取引であれば手持ちのお金を失うだけなのでまだいいです。
しかし信用取引は、思いがけない借金を背負うことになるかもしれません。
信用取引でおこづかいを増やすんだモン。
信用取引をはじめるのは、現物取引で十分な経験を積んだのちに、しっかりと勉強してからでも遅くはないです。
現物取引に慣れたのちに、”おこづかい” の範囲内で信用取引をするくらいがちょうどいいと思います。
米国株は1株から取引できます。
- 「ほったらかし投資」は読んで字のごとく、商品を買ったあとは ”ほったらかし” ているだけの投資方法。
- 「ほったらかし投資」の中身はさまざまだが、投資のプロやAIに売買をまかせるというのが基本。
- 「ほったらかし投資」は、<初心者も始めやすい><少額から始められる><長期投資に有効>な投資方法。
それではまた。
コメント