あ行
遺言執行者(いごんしっこうしゃ)
遺言の執行のために特に選任された者。
意思能力(いしのうりょく)
自分の行為の結果を判断できる精神的能力。
意思能力を有していない人を意思無能力者(泥酔者・乳幼児など)といいます。
意思無能力者の行った行為は無効とされます。
意思主義(いししゅぎ)
物権変動は、当事者の意思表示のみによって効力が生じる。
遺贈(いぞう)
遺言により遺産の全部または一部を無償で他人に譲渡する単独行為。
一物一権主義(いちぶついっけんしゅぎ)
物権は、同一の物について同一の内容の物権は複数成立しないという排他性を有している。
一括競売(いっかつけいばい)
抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともに建物を競売できる。
違約手付(いやくてつけ)
買主が債務不履行のときに、違約罰として没収されるという趣旨で交付される手付。
遺留分(いりゅうぶん)
兄弟姉妹以外の法定相続人に最低限保証された遺産取得分。
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、遺留分を算定するための財産の価額に、直系尊属のみが相続人である場合は1/3、それ以外の場合は1/2を乗じた額を受けます。
遺留分侵害額請求権(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅうけん)
遺留分権利者およびその承継人は、受遺者・受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できる。
受戻権(うけもどしけん)
債権者が担保権の実行を完了させるまでの間は、債務の全額を弁済して、目的物を取り戻すことができる。
永小作権(えいこさくけん)
小作料を支払って他人の土地において耕作および牧畜をする権利。
か行
解除(かいじょ)
契約成立後に生じた一定の事由を理由として、契約の効力を一方的に消滅させる意思表示。
解除条件(かいじょじょうけん)
一定の条件が成し遂げられたことで、契約効力が消滅すること。
条件の種類 | 効力 | ||
既成条件 | 条件がすでに成就 | 停止条件 | 無条件 |
解除条件 | 無効 | ||
条件が不成就確定 | 停止条件 | 無効 | |
解除条件 | 無条件 | ||
不能条件 | 停止条件 | 無効 | |
解除条件 | 無条件 | ||
随意条件 | 停止条件 | 単に債務者の意思のみにかかるとき | 無効 |
単に債権者の意思のみにかかるとき | 有効 | ||
解除条件 | 単に債務者の意思のみにかかるとき | 有効 | |
単に債権者の意思のみにかかるとき | 有効 |
解約手付(かいやくてつけ)
契約を、理由のいかんにかかわらず後で解除できる手付。
確定(かくてい)
根抵当権によって担保される元本債権が特定され確定すること。
確定期限(かくていきげん)
到来する時期が確定している期限。
加工(かこう)
他人の動産に工作を加え、新たな物を製作すること。
過失相殺(かしつそうさい)
債務の不履行またはこれによる損害の発生・拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任および額を定める。
果実(かじつ)
元物から生じる収益。
簡易の引渡し(かんいのひきわたし)
譲受人がすでに目的物を所有している場合に、占有権移転の合意のみによる引渡し。
間接強制(かんせつきょうせい)
債務を履行しないことに対し一定額の金銭の支払いを命じることにより、債務者の履行を経済的に強制する方法。
管理(かんり)
財産の利用および改良を目的とする行為。
危険負担(きけんふたん)
双務契約上の債務の一方が、債務者の責めに帰することができない事由によって履行できなくなった場合に、他方の債務の履行を拒絶できるか否かという問題のこと。
求償権(きゅうしょうけん)
法律上の理由により被った財産の減少について、特定の者に返還を求める権利。
共同不法行為(きょうどうふほうこうい)
数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯して損害を賠償する責任を負う。
共同保証(きょうどうほしょう)
同一の主たる債務について数人の保証人がいる保証。
共有持分(きょうゆうもちぶん)
共有者のそれぞれが目的物に対して有している権利。
区分地上権(くぶんちじょうけん)
他人の土地の地下や空間の範囲を限定して、工作物を所有するために設定された地上権。
契約上の地位の移転(けいやくじょうのちいのいてん)
契約当事者としての地位を承継させる契約。
権原(けんげん)
法律行為または事実行為を正当とする法律上の原因。
例えば、他人の土地に建物を建てる権原は、地上権・賃借権などです。
検索の抗弁権(けんさくのこうべんけん)
債務者が主債務者に催告をした後であっても、保証人が主債務者に弁済する資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主債務者の財産について執行しなければならない。
検認(けんにん)
遺言書の保存を確実にして後日の変造や隠匿を防ぐ証拠保全手続。
遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。
顕名(けんめい)
代理人が代理行為をする旨を相手方に示すこと。
顕名がない場合、本人に効果が帰属せず、代理人自身のための契約をしたものとみなされます。
権利能力(けんりのうりょく)
法律上の権利・義務の主体となることができる資格。
権利能力を有するのは、自然人と法人です。
権利能力なき社団(けんりのうりょくなきしゃだん)
法人のような実体を有しているものの、法律の規定により権利をもつことができない社団。
現実の引渡し(げんじつのひきわたし)
現実になされる引渡し。
原状回復義務(げんじょうかいふくぎむ)
契約によって履行された給付を、解除によって契約前の状態にもどす義務。
現存利益(げんぞんりえき)
受領した金銭が生活費のような有益な消費に向けられた場合には、それだけ金銭の支出を免れたされる利益。
その利益分は、返還しなければなりません。
逆に、ギャンブルなどに使った金銭の分は返さなくても良いです。
限定承認(げんていしょうにん)
相続によって得た財産の限度においてのみ、被相続人の債務および遺贈を弁済すべきことを留保して相続の承認すること。
相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみすることができます。
行為能力(こういのうりょく)
法律行為(売買契約など)を自ら単独で有効に行う能力。
工作物責任(こうさくぶつせきにん)
土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、工作物の占有者は、被害者に対して損害を賠償する責任を負う。
公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)
公証人が作成する遺言書。
口頭の提供(こうとうのていきょう)
債権者があらかじめ弁済の受領を拒み、または債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領を催告すれば足りるとされている。
混同(こんどう)
債権と債務のように、相対立する二つの法律上の地位が同一人に帰属すること。
混和(こんわ)
各別の所有者に属する物が識別できなくなること。
さ行
債権(さいけん)
特定の人が別の特定の人に対して一定の行為を請求できる権利。
債権者代位権(さいけんしゃだいいけん)
債務者が自らの権利を行使しないとき(ボーとしている)に、債権者が債務者に代わってその権利を行使すること。
債権譲渡(さいけんじょうと)
債権の同一性を保ちながら契約によって債権を移転させること
催告権(さいこくけん)
契約などを結んだ相手方に対して、債務の履行などの行為を行うよう求める権利のこと。
催告の抗弁権(さいこくのこうべんけん)
債権者が保証人に履行の請求をしたときは、保証人は、主債務者に催告すべき旨を請求できる。
債務引受(さいむひきうけ)
債務者の債務を引き受けて自らが債務者となること。
債務不履行(さいむふりこう)
債務者が債務の本旨に従った履行をしないこと。
詐害行為取消権(さがいこういとりけしけん)
債務者が積極的に自己の財産を減少させるような行為(詐害行為)をしたときに、詐害行為を取り消す権利。
先取特権(さきどりとっけん)
給料債権のように、特に保護すべき債権を有する者は、債務者の財産から他の債権者に優先して、債権の弁済を受けることができる。
錯誤(さくご)
勘違い・思い違い。
指図による占有移転(さしずによるせんゆういてん)
間接占有者が第三者との合意および直接占有者への指図によって、直接占有者に所持させたまま第三者に占有権を移転する方法。
死因贈与(しいんぞうよ)
贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与。
質権(しちけん)
債権の担保として債務者または第三者から受けとった物を占有し、かつ、物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利。
失踪宣告(しっそうせんこく)
ある人の生死不明の状態が継続した場合、その人を死亡したものとして取り扱って、財産を相続させるなどして利害関係人の保護を図ること。
収益的効力(しゅうえきてきこうりょく)
担保権者が担保の目的物を収益し債務の弁済に充当できる効力。
集合債権譲渡担保(しゅうごうさいけんじょうとたんぽ)
債権の集合体を対象として譲渡担保を設定した場合のこと。
集合動産譲渡担保(しゅうごうどうさんじょうとたんぽ)
動産の集合体を対象として譲渡担保を設定した場合のこと。
取得時効(しゅとくじこう)
事実上権利者であるかのような状態を継続する人に権利を取得させるもの。
種類債権(しゅるいさいけん)
同じ種類の物の一定数量の引渡しが目的とされる債権。
種類債権の特定(しゅるいさいけんのとくてい)
種類物の売買であっても、ある段階に達すると、売主が引き渡すべき目的物が限定されることになる。
承役地(しょうえきち)
地役権が設定された他人の土地。
使用者責任(しようしゃせきにん)
事業のために他人を使用する者は、被用者が事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
消滅時効(しょうめつじこう)
権利を行使しない状態を継続する人の権利を消滅させるもの。
証約手付(しょうやくてつけ)
契約成立の証拠としての手付。
所有権(しょゆうけん)
自分のもっている物を自由に使用・収益・処分する権利。
時効の援用(じこうのえんよう)
時効の利益を受ける旨の意思表示。
時効の完成に必要な期間が経過しても、直ちに時効の効力が発生するわけではなく、当事者が援用しなければ時効の効力は発生しません。
時効の完成猶予(じこうのかんせいゆうよ)
時効の完成を一定期間猶予すること。
既に経過した時効時間はそのままです。
時効の更新(じこうのこうしん)
時効の利益の放棄(じこうのりえきのほうき)
時効の援用とは反対に、時効の利益を受けない旨の意思表示をすること。
時効の利益は、時効前に放棄できません。
自己契約(じこけいやく)
代理人が自ら本人を代理して、本人と契約をすること。
自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)
遺言を作成する人が、財産目録(パソコン・代筆可)を除く全文を自筆で書く遺言書。
事務管理(じむかんり)
義務がないにもかかわらず他人のために事務を管理すること。
熟慮期間(じゅくりょきかん)
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について、単純もしくは限定の承認または放棄をしなければならない。
準正(じゅんせい)
嫡出子でない子に嫡出子としての地位を与えること。
譲渡制限特約(じょうとせいげんとくやく)
債権譲渡を禁止・制限する旨の意思表示。
譲渡制限特約は、悪意または重過失の第三者に対抗できます。
譲渡担保(じょうとたんぽ)
債権の担保のため目的物の所有権などを債権者に譲渡し、一定期間内に債務を弁済した場合は所有権が再び債務者に復帰するという形式の担保。
随伴性(ずいはんせい)
被担保債権が第三者に移転すると、担保物件も第三者に移転する性質。
制限種類債権(せいげんしゅるいさいけん)
種類物について一定の制限を加えて目的物を限定した債権。
制限物権(せいげんぶっけん)
物を一定の限られた目的のために利用する物権。
地上権・地役権などの用益物権と、質権・抵当権などの担保物権があります。
成年被後見人(せいねんひこうけんにん)
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるとして、家裁による後見開始の審判を受けた者。
制限行為能力者(せいげんこういのうりょくしゃ)
法律行為が自分にとって有利か否かを判断する能力を有しない者。
占有改定(せんゆうかいてい)
譲渡人が目的物の所持を継続する場合に、譲受人が譲渡人を介して代理占有する合意によって占有物を移転する方法。
占有(せんゆう)
自己のためにする意思をもって物を所持すること。
占有権(せんゆうけん)
現実に物を支配しているという事実状態(占有)に基づく権利。
占有回収の訴え(せんゆうかいしゅうのうったえ)
占有者が占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、物の返還および損害の賠償を請求できる。
占有保持の訴え(せんゆうほじのうったえ)
占有者が占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、妨害の停止および損害の賠償を請求できる。
占有保全の訴え(せんゆうほぞんのうったえ)
占有を妨害されるおそれがある場合には、占有保全の訴えにより、妨害の予防または損害賠償の担保を請求できる。
絶対的効力(ぜったいてきこうりょく)
一人について生じた事由が他の者にも影響を及ぼすこと。
善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)
善良なる管理者の注意義務。
全面的価格賠償(ぜんめんてきかかくばいしょう)
共有者の1人が単独で共有持分すべてを取得する代わりに、持分を手放す他の共有者は単独所有する共有者から賠償金を受け取ること。
相殺(そうさい)
債権者と債務者が相互に同種の債務を有する場合に、一方的意思表示により双方の債務を対等額において消滅させること。
相殺をしようとする側の債権を自動債権、相殺される側の債権を受動債権といいます。
相殺適状(そうさいてきじょう)
相殺をするのに適した状態のこと。
相殺のスタンバイOK。
相続欠格(そうぞくけっかく)
特定の相続人が民法891条の相続欠格事由に当てはまる場合に相続権を失わせる制度。
- 故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために、刑に処せられた者
- 被相続人が殺害されたことを知って、これを告発せず、または告訴しなかったもの(その者に是非の弁別がないとき、または殺害者が自己の配偶者もしくは直系血族であったときを除く)
- 詐欺または強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、または変更することを妨げた者
- 詐欺または強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、または変更させた者
- 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿した者
相続の放棄(そうぞくのほうき)
相続人が相続開始による包括承継の効果の消滅を意欲して行う意思表示。
相続廃除(そうぞくはいじょ)
被相続人の請求または遺言により,遺留分を有する推定相続人(兄弟姉妹以外の推定相続人)の相続権を剥奪する制度。
相対的効力(そうたいてきこうりょく)
契約の効力が当事者のみに及んで、第三者には及ばないこと。
双方代理(そうほうだいり)
本人と相手方の双方の代理人となり自分一人で契約すること。
双務契約(そうむけいやく)
契約当事者が互いに対価的債務を負担する契約
即時取得(そくじしゅとく)
取引行 為によって、平穏に、かつ、公然 と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、 過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する(192条)。
他人が所有する動産が自分の物になってしまう制度です。
損益相殺(そんえきそうさい)
不法行為と同一の原因によって被害者が利益を受けている場合に、これを加害者の賠償すべき損害額から差し引くこと。
贈与契約(ぞうよけいやく)
当事者の一方(贈与者)がある財産を無償で相手方(受贈者)に与える契約。
贈与契約が書面によらないでなされた場合(書面によらない贈与)、各当事者は、贈与契約を解除できます。
た行
単純承認(たんじゅんしょうにん)
相続開始による包括承継の効果をそのまま確定させること。
担保物件(たんぽぶっけん)
他人のもっている物を自分の債権の担保のために処分する権利。
代位弁済(だいいべんさい)
債務を債務者以外の者が弁済し、その弁済者が債務者に対して求償権を取得する場合の弁済。
代価弁済(だいかべんさい)
抵当不動産について、所有権または地上権を買い受けた者が、抵当権者の請求に応じて、その代価を弁済したときに抵当権が消滅する制度。
第三者(だいさんしゃ)
対抗要件を備えなければ、物権変動があったことを主張できない当事者もしくはその包括承継人以外の者。
かつ、不動産に関する物権の得喪・変更の登記の欠缺(けんけつ)を主張する正当の利益を有する者です。
第三者のためにする契約(だいさんしゃのためにするけいやく)
契約当事者ではない第三者が利益を受けるような内容の契約。
第三者弁済(だいさんしゃべんさい)
第三者が他人の債務を自己の名において弁済すること。
代襲相続(だいしゅうそうぞく)
相続人となるべき者が相続開始時に相続権を失っていた場合に、その者の直系卑属が相続分を相続する制度。
代替執行(だいたいしっこう)
債務者に代わって第三者に債務の内容を実現させ、それに要する費用を債務者から強制的に撤収する方法。
代物弁済(だいぶつべんさい)
債務者がお金の代わりに物で弁済する方法。
代理権(だいりけん)
制限行為能力者に代わって行為を行う権限。
または、他人に代わりに契約を結んでもらい、その効果を本人に帰属させる権限。
代理権の濫用(だいりけんのらんよう)
代理権の範囲内で代理人が代理行為を行ったが、実は自己または第三者の利益を図るための行為であり、本人が損害を被る場合のこと。
諾成契約(だくせいけいやく)
契約当事者の合意のみで成立する契約。
地役権(ちえきけん)
一定の目的のために、他人の土地を利用する権利。
地上権(ちじょうけん)
他人の土地において工作物または竹木を所有するため、その土地を使用する権利。
嫡出子(ちゃくしゅつし)
婚姻関係にある男女間に生まれた子。
直接強制(ちょくせつきょうせい)
債務者の財産に対して実力行使をし、債務者の意思を無視して債権の内容を実現する方法。
追認権(ついにんけん)
制限行為能力者が単独で行った行為を有効と確定する権限。
定期贈与(ていきじょうよ)
定期の給付を目的とする贈与。
定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって効力を失います。
停止条件(ていしじょうけん)
一定の条件が成し遂げられることによって、契約の効力が発生すること。
条件の種類 | 効力 | ||
既成条件 | 条件がすでに成就 | 停止条件 | 無条件 |
解除条件 | 無効 | ||
条件が不成就確定 | 停止条件 | 無効 | |
解除条件 | 無条件 | ||
不能条件 | 停止条件 | 無効 | |
解除条件 | 無条件 | ||
随意条件 | 停止条件 | 単に債務者の意思のみにかかるとき | 無効 |
単に債権者の意思のみにかかるとき | 有効 | ||
解除条件 | 単に債務者の意思のみにかかるとき | 有効 | |
単に債権者の意思のみにかかるとき | 有効 |
停止条件説(ていしじょうけんせつ)
胎児が生まれることにより、おなかの中にいた期間にさかのぼって権利能力が発生するという考え方。
したがって、法定代理人が出生前に胎児を代理することはできません。
抵当権(ていとうけん)
債務者または第三者が占有を移転しないで債務に提供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利。
抵当権消滅請求(ていとうけんしょうめつせいきゅう)
抵当不動産の所有権を取得した第三者が、自己が評価した抵当不動産の価額相当額を抵当権者に提供して、抵当権の消滅を請求する制度。
転質(てんしち)
質権者が質物をさらに質入すること。
天然果実(てんねんかじつ)
物の用法に従って収取する産出物(果物・牛乳など)。
特定承継(とくていしょうけい)
他人の権利や義務を個別的に取得すること。
特定物債権(とくていぶつさいけん)
物の個性に着目して引渡しの対象とされた物のこと。
特別失踪(とくべつしっそう)
危難(戦争・地震・火災など)に遭遇した人が、その危難が去ってから1年間生死不明であるときに申し立てる失踪宣告
危難が去った時に死亡したとみなされます。
特別の寄与(とくべつのきよ)
被相続人の介護や労務の提供を無償ですることによって、財産の維持・増加に貢献していた相続人以外の親族が、相続人に対して寄与度に応じた金銭を請求できる制度。
特有財産(とくゆうざいさん)
夫婦の一方が婚姻前から有する財産および婚姻中自己の名で得た財産。
取消権(とりけしけん)
制限行為能力者が単独でした行為を取り消す権利。
または、無権代理人がした契約は、本人が追認しない間は、相手方が取り消すことができます。
同意権(どういけん)
制限行為能力者が単独で行為をできるように同意をする権限。
同時履行の抗弁権(どうじりこうのこうべんけん)
双務契約の当事者の一方は、相手方が債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
な行
任意代理(にんいだいり)
他人を利用することで自分の活動範囲を広げるための代理制度。
認知(にんち)
非嫡出子について、父または母との間に親子関係を発生させる制度。
根抵当権(ねていとうけん)
一定の範囲に属する不特定の債権を一定の額(極度額)まで担保するために設定する抵当権。
根保証(ねほしょう)
一定の範囲に属する不特定の債務を主債務とする保証。
は行
配偶者居住権(はいぐうしゃきょじゅうけん)
夫婦の一方が亡くなった場合に、残された配偶者が 亡くなった人が所有していた建物に、亡くなるまで、または一定の期間無償で 居住することができる権利。
配偶者短期居住権(はいぐうしゃたんききょじゅうけん)
残された配偶者が、亡くなった人の所有する建物に居住していた場合、遺産分割により居住建物の帰属が確定した日または相続開始の時から6か月を経過する日のいずれか遅い日までは、無償で建物に住み続けることができる権利。
非債弁済(ひさいべんさい)
債務の弁済として給付した者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、給付したものの返還を請求できない。
非嫡出子(ひちゃくしゅつし)
婚姻関係にない男女間に生まれた子。
必要費(ひつようひ)
他人の物を占有している者が、物の現状を維持するために支出した費用。
被保佐人(ひほさにん)
精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分であるとして、家裁による保佐開始の審判を受けた者。
被補助人(ひほじょにん)
精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分であるとして、家裁による補助開始の審判を受けた者。
秘密証書遺言(ひみつしょうしょいごん)
遺言の内容を秘密にする遺言。
表見受領権者(ひょうけんじゅりょうしゃ)
受領権者としての外観を有する者。
表見受領権者に対してした弁済は、弁済をした者が善意・無過失に限り、弁済の効力を有します。
表見代理(ひょうけんだいり)
無権代理について、本人にも責められる点があり、相手方が有効な代理行為と信じるのも無理がない場合に、代理行為の効果を本人に帰属させる制度。
不確定期限(ふかくていきげん)
到来する時期が確定していない期限。
不可分性(ふかぶんせい)
被担保債権の全額の弁済を受けるまで、目的物のすべてについて権利を行使できる性質。
不完全履行(ふかんぜんりこう)
債務の本旨に従った完全な履行ではない債務不履行。
復代理(ふくだいり)
代理人が自分の代わりに代理権を与えて仕事を遂行してもらうこと。
任意代理では、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任できません。
負担付贈与(ふたんつきぞうよ)
贈与に際して受贈者もなんらかの給付義務を負うもの。
不当利得(ふとうりとく)
法律上の原因なく他人の財産または労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼすこと。
不法原因給付(ふほうげんいんきゅうふ)
不法な原因のために給付をした者は、給付したものの返還を請求できない。
不法行為(ふほうこうい)
故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害し、これによって損害を生じさせること。
付合(ふごう)
数個の物が結合し一体化するか、または分離することができても、分離により社会経済的にみて著しく不利益になる状態を生ずること。
付従性(ふじゅうせい)
債権が発生しなければ担保物件も発生せず、債権が消滅すれば担保物件も消滅する性質。
負担部分(ふたんぶぶん)
各債務者が最終的に負担する額。
普通失踪(ふつうしっそう)
行方不明の期間が7年以上の場合に、申立てる失踪宣告。
7年の期間が終了した時に死亡したとみなされます。
物権(ぶっけん)
土地や建物などの一定の物を支配して利益を受ける権利。
物上代位性(ぶつじょうだいいせい)
目的物の売却・賃貸・滅失・損傷によって、債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても優先弁済的効力を行使できる性質。
物権的請求権(ぶっけんてきせいきゅうけん)
物権の円満な支配状態が妨害されまたは妨害されるおそれがある場合に、妨害の廃除または予防のために、一定の行為をすることまたはしないことを請求しうる権利。
物権変動(ぶっけんへんどう)
物権の発生・変更・消滅のこと。
物権変動は、契約による場合のほか、取得時効や相続など契約によらない場合にも生じます。
物権法定主義(ぶっけんほうていしゅぎ)
物権は、法律に定めるものの他は創設できない。
併存的債務引受(へいぞんてきさいむひきうけ)
引受人が債務者と同一内容の債務を引き受けること。
併存的債務引受があった場合、債務者と引受人は債権者に対して連帯債務を負います。
隔地者間の契約(へきちしゃかんのけいやく)
対話者間のように申込みと承諾がその場でなされない場合の契約。
返還請求権(へんかんせいきゅうけん)
目的物の占有を喪失した場合に、法律上の正当な根拠なくして物を占有する人に対して、その返還を請求する権利。
変更(へんこう)
共有物の性質または形状を変更する行為
片務契約(へんむけいやく)
契約当事者が互いに対価的債務を負担しない契約。
弁済(べんさい)
債務者または第三者が、債務の内容である給付を実現して債権を消滅させること。
弁済の提供(べんさいのていきょう)
債務者側でなしうる必要な準備行為をして、債権者の受領を求める行為。
債務者は、弁済の提供のときから、債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れます。
法定果実(ほうていかじつ)
物の使用の対価として受ける金銭等(地代・賃料など)。
法定担保物件(ほうていたんぽぶっけん)
法律が規定する一定の要件を満たすと当然に成立する担保物件。
法定代理(ほうていだいり)
未成年者など能力の不十分な人でも活動できるよう代理人にサポートさせるための代理制度。
法定地上権(ほうていちじょうけん)
競売などにより建物と土地の所有者が違う人になってしまった場合に、建物所有者が他人の土地を使える権利。
法定追認(ほうていついにん)
追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について以下の事実があったときは、追認をしたものとみなされる。
- 全部または一部の履行
- 履行の請求
- 公開
- 担保の供与
- 取り消すことができる行為によって取得した権利の譲渡
- 強制執行
保証債務(ほしょうさいむ)
債務者が債務を履行しない場合に、主債務者に代わって履行する債務。
保存(ほぞん)
財産の価値を保存し、現状を維持する行為。
本権(ほんけん)
占有を法律上正当なものとさせる権利。
例えば、所有権、賃借権、質権、地上権などです。
妨害排除請求権(ぼうがいはいじょせいきゅうけん)
物権内容の実現に妨害がある場合に、妨害をしている人に対して、その妨害の廃除を請求する権利。
妨害予防請求権(ぼうがいよぼうせいきゅうけん)
物権に対する妨害が将来発生する危険がある場合に、それを防止しうる地位にある人に対して、その防止を請求する権利。
ま行
免責的債務引受(めんせきてきさいむひきうけ)
債務の同一性を保ちながら債務が引受人に移転し、債務者が債権債務関係から離脱すること。
免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しません。
無権代理(むけんだいり)
代理権のない人が本人の代理人として契約する場合。
代理権のない代理人を無権代理人といいます。
無効(むこう)
客観的に見て法律行為が法的効力を与えるにふさわしくない場合のこと。
したがって、外見上法律行為が存在していても、無効な法律行為の効果は当初からまったく生じません。
無償契約(むしょうけいやく)
契約当事者が互いに対価的出費をしない契約。
や行
約定担保物件(やくじょうたんぽぶっけん)
契約によって成立する担保物件。
有益費(ゆうえきひ)
物の改良のために支出した費用。
有償契約(ゆうしょうけいやく)
契約当事者が互いに対価的出費をする契約。
優先弁済的効力(ゆうせんべんさいてきこうりょく)
債務の弁済が得られないときに、担保の目的物の有する価値から他の債権者に優先して弁済を受けられる効力。
要役地(ようえきち)
地役権の便益を受ける土地。
用益物権(ようえきぶっけん)
他人が所有する物を一定の目的のために使用・収益するための権利。
地上権などです。
要物契約(ようぶつけいやく)
合意のほか、目的物の引渡しが成立要件である契約。
ら行
利益相反行為(りえきそうはんこうい)
親権を行う父または母と子との利益が相反する行為。
履行遅滞(りこうちたい)
期限を過ぎた債務不履行。
履行不能(りこうふのう)
履行が不可能となった債務不履行。
隣地通行権(りんちつうこうけん)
他の土地に囲まれて公道に出られない土地(袋地)の所有者が、その土地を囲んでいる他の土地(囲繞地)を通行できる権利。
留置権(りゅうちけん)
他人の物を占有している者が、相手の債権の支払いが終了するまで、その物の引渡しを拒否することができる権利。
流質契約(りゅうしちけいやく)
質権設定者は、設定行為または債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することはできない。
留置的効力(りゅうちてきこうりょく)
債務が完済されるまで担保権者が目的物を留置できる効力。
連帯債務(れんたいさいむ)
数人の債務者が同一内容の給付について、各自が独立にすべての給付をなすべき債務を負担し、そのうちの1人の給付があれば他の債務者の債務もすべて消滅する多数当事者の債務。
連帯保証(れんたいほしょう)
保証人が主債務者と連帯して債務を負担する旨合意した保証。
コメント