行政書士|合格への道【会社法:株式】

行政書士|合格への道【会社法:株式】
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クマ美

今回は、株式を学習するわ!

くまケン

試験に頻出のテーマだモン!

本ブログでは、行政書士の試験科目「会社法:株式」について要約しています。

行政書士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。

ほんのわずかでも、行政書士試験を受験される方の手助けになれたら幸いです。

記事を書いた人
  • 九州を拠点に自動車販売店を経営
  • 2015年より金融系ブログ作成
  • 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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目次

株主平等の原則

株式会社は、株主をその持ち株数や有する株式の種類に応じて平等に取り扱わなければなりません(株主平等の原則)。

株式平等の原則に反する定款・契約・決議などは、株主の承認がない限り、無効となります。

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株主の権利

自益権と共益権

株主の権利は、その権利の内容に着目すると、自益権と共益権に分類できます。

意味具体例
自益権会社から経済的利益を受ける権利・剰余金配当請求権
・残余財産分配請求権
・株式買取請求権
共益権会社の経営に参加する権利・株主総会における議決権
・株主の監督是正権

単独株主権と少数株主権

株主の権利は、権利を行使する条件に着目すると、単独株主権少数株主権に分類できます。

意味具体例
単独株主権1株しか有していない株主でも行使できる権利・自益権
・株主総会における議決権
少数株主権発行済株式総数の一定割合以上または総株主の
議決権の一定割合以上・一定数以上を有する株主
のみが行使できる権利
・株主総会招集請求権
・役員解任請求権

株式の共有

株式を2人以上の者が共有することが認められていますが、共有者は、共有株式についての権利を行使する者1人を定めて会社にその者の指名・名称を通知しなければ、その株式について権利を行使できません。

ただし、会社から共有者に権利行使させることを認めることはできます。

株式買取請求権

株式買取請求権とは何か

株式買取請求権とは、会社または株主に重大な影響を与える行為に反対する株主が、会社に対して、その有する株式の買取を請求でき権利です。

これにより、少数派の株主に投下資本回収の道を与えることができます。

株式買取請求権を行使できる場合

株式を買い取ることは、会社にとっては本来禁止されている出資の払戻しとなるため、株式買取請求権を行使できる場合は限定されています。

株式買取請求権を行使できる場合

  • 発行する株式全部に譲渡制限の定めを設ける定款変更をする場合
  • 譲渡制限種類株式・全部取得条件付種類株式とする旨の定款変更をする場合
  • 株式の併合・株式の分割・株式無償割当て・単元株制度を採用する旨の定款変更等をする場合
  • 事業譲渡、合併、会社分割、株式交換、株式移転などの組織再編行為をする場合
  • 単元未満株を保有する者

手続

株式買取請求権を行使するためには、株主総会の決議に先立ち反対する旨を会社に通知し、かつ、株主総会でも議案に反対の議決権行使をしなければなりません。

ただし、議決権のない株主(議決権制限株式)は、そもそも株主総会に参加できないので、上記の手続を経ずに株式買取請求権をすることができます。

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株式の内容

株式会社は、定款で定めることにより、

  • 発行する全部の株式の内容として特別な事項を定めること
  • 内容の異なる複数の種類の株式を発行すること(種類株式

ができます。

株式を通じて、多様な支配関係や資金調達の機会を確保できるようにするためです。

株式全部の内容

株式全部の内容として定めることができるものは、譲渡制限株式取得請求権付株式取得条項付株式です。

譲渡制限株式

譲渡による取得について会社の承認が必要な株式

取得請求権付株式

株主の方から会社に対して株式の取得を請求できる権利が付与された株式

取得条項付株式

会社が株主の同意なしに一定の事由が生じたことを条件として取得できる条項が付与された株式

種類株式

種類株式についても、譲渡制限株式、取得請求権付株式、取得条項付株の3つを定めることができます。

上記に加えて、以下があります。

優先株・劣後株

剰余金の配当や残余財産の分配について異なる定めをした株式であり、優先的な取り扱いをするものを優先株、劣後的な取り扱いを受けるものを劣後株という

議決権制限株式

株主総会で議決権を行使できる事項について異なる定めをした株式

全部取得条項付株式

その種類株式の全部を株主総会での特別決議で取得できる旨を定めた株式

拒否権付株式

株主総会の決議事項につき、決議に加えて、拒否権付株式を持っている者だけで構成される種類株主総会の決議も必要となる株式

取締役・監査役の選任権付株式

その種類株式を持っている株主だけで構成される種類株主総会で取締役と監査役の選任をすることができる株式

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株式の譲渡

株式譲渡自由の原則

株式会社では出資の払戻しが認められていないため、株式の譲渡により出資金を回収する機会を確保する必要があります。

また、株式会社では株主の個性が重視されないため、株式の譲渡がなされても会社に不都合は生じません。

そこで、株主は、原則として、その有する株式を自由に譲渡できます(株式譲渡自由の原則)。

法律による株式の譲渡制限

例外的に、法律により株式の譲渡が制限されている場合があります。

権利株の譲渡制限

権利株(会社の設立前または新株発行前の株式引受人の地位)の譲渡は、会社に対抗できません。

なお、権利株の譲渡も、当事者間では有効となります。

株券発行前の譲渡制限

証券発行会社における株券発行前の株式の譲渡は、会社に対して効力を生じません。

なお、株券発行前の株式の譲渡も、当事者間では有効となります。

子会社による親会社株式の取得制限

子会社は、原則として、親会社の株式を取得できません。

ただし、組織再編行為により他の会社から親会社株式を承継する場合には親会社株式の取得が認められます。

もっとも、子会社が例外的に親会社株式を取得することになった場合は、相当の時期に有する親会社株式を処分しなけばなりません。

自己株式の取得制限

自己株式の取得は、実質的に出資の払戻しにあたることになり会社債権者を害するなどの弊害があります。

そこで、会社法は、会社が自己株式を取得できる場合を限定しています。

自己株式取得手続

すべての株主に申込機会を与える場合

株主総会の普通決議が必要

特定の株主から取得する場合

株主総会の特別決議が必要

子会社から取得する場合

取締役会設置会社では取締役会決議、取締役会非設置会社では株主総会の普通決議

市場取引等により取得する場合

取締役会設置会社では取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる

会社は、自己株式を期間制限なく保有できます。

また、自己株式を再利用しない場合には、自己株式を消却できます。

定款による株式の譲渡制限

定款による株式の譲渡制限とは何か

株式会社は、株式を譲渡するには会社の承認を得なければならない旨を定款で定めることができます(譲渡制限株式)。

承認期間

定款による株式の譲渡制限を設けた場合、株式を譲渡するには、取締役会設置会社では取締役会の承認を必要とし、それ以外の会社では株主総会の普通決議による承認を必要とします。

ただし、定款で別段の定めを置くこともできます。

株式の譲渡方法と対抗要件

株式の譲渡方法及び対抗要件は、株券発行会社か株券不発行会社かによって異なります。

株式の譲渡は、会社に対する権利の譲渡なので、その対抗要件は第三者に対するものだけではなく、会社に対する対抗要件も必要となります。

スクロールできます
譲渡方法第三者への対抗要件会社への対抗要件
株券発行会社意思表示の合致
+株券の交付
株券の交付株主名簿の名義書換
株券不発行会社意思表示の合致株主名簿の名義書換
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出資単位の調整

1株の価格が高すぎると個人投資家は手を出しにくくなり、1株の価格が低すぎると株主の数が多くなって事務処理の費用がかさんでしまいます。

そこで、1株の価格をいくらにするかは、会社にとって重要な問題となります。

出資谷を調整する手段としては、

  • 株式の併合
  • 株式の分割
  • 株式無償割当て
  • 単元株制度

の4種類があります。

株式の併合

株式の併合とは、数個の株式を併せてそれよりも少数の株式とすることです。

これにより、1株の値段を従来の倍以上にでき、株価を吊り上げることができます。

株式併合を行うためには、株主総会の特別決議が必要となります。

このように厳格な手続が必要とされているのは、2株を1株にした場合に、もともと1株しかもっていない者は端数だけの株主となってしまい、不利益を生じさせるからです。

株式の分割

株式の分割とは、既存の株式を細分化して従来よりも多数の株式とすることです。

これにより、1株の値段を半値以下とすることができ、株価が高すぎて市場で取引されにくい場合に、流通性を高めることができます。

株式分割の場合、特に株主の利益を害しないので、株主総会の普通決議(または取締役会決議)で行えます。

株式無償割当て

株式無償割当てとは、株主に対して無償で新株・自己株式の割当てをすることです。

これより、株式の分割をしたのと同様の効果が生じます。

株式無償割当ては、株主総会の普通決議(または取締役会決議)で行えます。

単元株制度

単元株制度とは何か

単元株制度とは、株式の一定数をまとめたものを1単元として、その1単元に付き1個の議決権を認める制度です。

これは、株主総会の招集通知の発送等にかかる株主管理コストを削減するための制度です。

単元株制度を利用しようとする会社は、その旨を定款で定める必要があります。

単元未満株主の権利

単元未満株主については、議決権が認められないので、株主提案権などの議決権を前提とする権利も認められません。

ただし、余剰金は異様請求権、残余財産分配請求権などの自益権は認められます。

単元株制度を採用・廃止する手続

1単元の株式の数を増加する場合には、株主総会の特別決議による定款変更が必要です。

これに対して、1単元の株式の数を減少する場合や、単元株制度を廃止する場合には、取締役の決定(または取締役会決議)により行えます。

スクロールできます
取締役会設置取締役会非設置
株式併合株主総会の特別決議
株式分割取締役会決議株主総会の普通決議
株式無償割当て取締役会決議株主総会の普通決議
単元株制度
採用・増加
株主総会の特別決議による定款の変更
単元株制度
廃止・減少
取締役会決議取締役会の決定
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株券

株券の発行

株券とは、株主の地位を表す有価証券です。

株券は、原則として発行しないこととされており、定款で株券を発行すると決めた場合に限って発行できます。

このように、株券の不発行が原則とされたのは、株券を発行しないほうが株式の取引を迅速に行えるからです。

善意取得

株券の占有者は、適法な所持人と推定されます。

そして、株券の占有者から株券の交付を受けた者は、悪意または重過失がない限り株式を取得できます(善意取得)。

株主の保護

株券を紛失した場合、その株券を手に入れた者が善意・無重過失の第三者に譲渡してしまうと、先ほど説明した善意取得により株式を取得されてしまい、元の株主は株式を失うことになります。

株券不所持制度

株主は、株券の所持を希望しない旨を申し出ることができます(株券不所持制度)。

株券執行制度

株主は、株券を紛失した場合、会社に対して株券喪失登録簿に記載・記録することを請求できます。

喪失登録されている株券については、名義書き換えや議決権行使が制限され、登録後1年を経過すると、株券は無効となります(株券執行制度)。

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株主名簿

株主名簿

株主名簿の作成

株主名簿とは、株主に関する事項を記載・記録した帳簿です。

株式会社では、株主名簿の作成が義務付けられ、これに

  • 株主の指名・名称及び住所
  • 株主の有する株式の数
  • 株主が株式を取得した日
  • 株券発行会社では株式に係る株券の番号

を記載しなければなりません。

基準日

株式会社は、一定の日(基準日)を定めて、基準日において株主名簿に記載されている株主を、その権利を行使できる者と定めることができます。

ただし、基準日株主が行使できる権利が株主総会における議決権である場合には、株式会社は、基準日株主の権利を害することがない範囲であれば、基準日後に株式を取得した者の全部または一部を株主総会における議決権を行使できる者と定めることができます。

株主名簿の閲覧・謄写

株主・債権者は、株式会社の営業時間内はいつでも、株主名簿の閲覧・謄写を請求できます。

これに対して、親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときに限り、裁判所の許可を得て、株主名簿の閲覧・謄写を請求できます。

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募集株式の発行等

募集株式の発行等とは何か

募集株式の発行等とは、新株の発行及び自己株式の処分をまとめた概念です。

これらは、会社設立後の資金調達の方法としてなされるものです。

募集株式の発行等の態様には、株主の持ち株数に応じて株式の割当てを受ける権利を与える場合(株主割当て)と、株主以外の第三者に株式の割当てを受ける権利を与える場合(第三者割当て)の2つがあります。

手続

募集事項の決定

募集株式の発行等を行う場合、募集株式の数・払込金額などの募集事項を決定しなければなりません。

募集事項の決定機関

スクロールできます
株主割当て第三者割当て
非公開会社原則株主総会の特別決議
例外定款の定めにより、取締役会の決定
(取締役会設置会社は取締役会決議)
株主総会の特別決議により、取締役会の決定
(取締役会設置会社は取締役会決議)
公開会社取締役会決議

出資の履行

募集株式の引受人は、払込期日または払込期間内に、株式会社が定めた銀行等の払込取扱場所において、募集株式の払込金額の全額を払い込み、またはそれに相当する現物出資財産を給付しなければなりません。

そして、募集株式の引受人が出資の履行をしないときは、出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失います。

株主となる時期

募集株式の引受人は、払込期日が定められたときはその払込日に、払込期間が定められたときは出資を履行した日に、出資の履行をした募集株式の株主となります。

違法な募集株式の発行等に対する措置

株主による差止め請求

募集株式の発行等が法令定款に違反し、または著しく不公正な方法により行われる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、募集株式の発行等の差止め請求をすることができます。

無効の訴え

募集株式の発行等の無効は、効力が生じた日から6か月以内(非公開会社は1年以内)に、訴えをもってのみ主張できます。

募集株式の発行等の無効原因

スクロールできます
無効原因に当たる無効原因に当たらない
・発行可能株式総数を超えて新株発行した
・募集株式の発行等の告示、通知をしなかった
・代表取締役が有効な取締役会を経ないで新株を発行した
・株主総会の特別会議を経ないで第三者に有利発行が行われた
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新株予約券

新株予約権とは何か

新株予約権とは、株式会社に対して行使することにより、株式会社の株式の交付を受けられる権利です。

要するに、株式の引換券のようなものです。

新株予約権者により新株予約権が行使された場合、株式会社は、新株予約権者に対して、新たに株式を発行するか、自己株式を交付する義務を負うことになります。

募集新株予約権の発行

手続

募集新株予約権の発行は、募集株式の発行等の場合と同様の手続を経る必要があります。

ただし、新株予約権者となる時期は、募集株式の発行等の場合と異なり、割当日です。

違法な募集新株予約権の発行に対する措置

募集株s期の発行等の場合と同様に、株主による差止め請求が認められています。

また、無効の訴えも同様に認められています。

新株予約権の譲渡

新株予約権者は、原則として、その有する新株予約権を自由に譲渡できます。

もっとも、新株予約権付社債を有する者は、その新株予約権付社債についての社債が消滅した場合を除き、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできません。

新株予約権の行使

新株予約権は、会社に対して、新株予約権の内容・数・行使の日を明らかにして、新株予約権を行使できます。

新株予約権者は、新株予約権を行使した日に、その新株予約権の目的である株式の株主となります。

それではまた次回

大きいくまケン
くまケン

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この記事を書いた人

日々の相場の動きに動じない、「ほったらかし投資」についていろいろと語ってみました。
「ほったらかし投資」は、こころとからだにやさしい投資スタイルです。
今まで金融投資には興味が無かった方が、少しでも金融投資の世界に興味を持っていただけるとうれしいです。宮崎県出身 鹿児島大学法文学部卒 

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