行政書士｜合格への道【総則】無効・取消し

本ブログでは、行政書士の試験科目「総論：無効・取消し」について要約しています。

行政書士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。

ほんのわずかでも、行政書士試験を受験される方の手助けになれたら幸いです。

無効

無効とは何か

無効とは、客観的に見て法律行為が法的効力を与えるにふさわしくない場合のことです。

したがって、外見上法律行為が存在していても、無効な法律行為の効果は当初からまったく生じません。

無効行為の追認

無効な行為は、追認をしても効力が生じません。

もっとも、当事者が無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなされます。

取消し

取消しとは何か

取消しとは、いったん効力が生じた行為を初めから無効であったとみなす行為です。

取消権者

取消権者は、以下の者に限られています。

取消権者

行為能力の制限によって 取消すことができる行為	・制限行為能力者 ・代理人 ・承継人 ・同意権者
錯誤・詐欺・強迫によって 取消すことができる行為	・瑕疵ある意思表示をした者または ・代理人 ・承継人

取消しの効果

取り消された行為は、初めから無効であったとものとみなされます。

そして、無効な行為に基く債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務（原状回復義務）を負います。

もっとも、それを厳格に要求しては意思無能力者・制限行為能力者の保護のために無効とした意味が半減してしまいます。

そこで、意思無能力者・制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度（現存利益）において、返還の義務を負います。

取り消し得る行為の追認

取り消すことができる行為は、取消権者が追認した時は、以後取り消すことができません。

この追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じません。

法定追認

追認をすることができる時以後に以下の行為がなされた場合、追認があったものとみなされます。

法定追認が生じる事由

• 全部または一部の履行
• 履行の請求
• 公開
• 担保の供与
• 取り消すことができる行為によって取得した権利の譲渡
• 強制執行

無効と取消しのまとめ

	無効	取消し
効果	行為の当初から効力が生じない	いったん効力が生じるが、 取消しにより行為の当初にさかのぼって 効力が生じなかったことになる
追認	当事者が無効であることを知って追認したときは、 新たな行為をしたものとみなされる	行為の当初から有効であることが確定する
主張権者	誰からでも主張できる	取消権者
主張期間	制限なし	追認できるときから5年間または 行為のときから20年間行使しないときは、 取消権が時効により消滅する

それではまた次回。

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