行政書士｜合格への道【行政不服審査法】審査請求の要件

本ブログでは、行政書士の試験科目「行政不服審査法・審査請求の要件」について要約しています。

行政書士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。

ほんのわずかでも、行政書士試験を受験される方の手助けになれたら幸いです。

審査請求の流れ

審査請求がなされると、まず、審査請求の要件を満たしているかを調査します（要件を満たしていないと審理をしてもらえません）。

次に、審査請求を受けた行政庁が、審査請求に理由があるかどうかを審理します。

最後に、審査請求を受けた行政庁が、裁決という形で判断の結果を示します。

審査請求の流れ

審査請求の要件

審査請求の要件は、以下の5つです。

• 処分または不作為が存在すること
• 正当な当事者からなされること
• 権限を有する行政庁に対してなすこと
• 審査請求期間内になすこと
• 形式と手続を尊寿すること

処分または不作為が存在すること

処分が行われる前になされた処分についての審査請求や、申請をしないでなされた不作為についての審査請求は、不適法とされます。

正当な当事者からなされること

不服申立規格

審査請求は、行政庁の処分または不作為に対し不服のある者すべてに許されるものではありません。

審査請求の正当な当事者となるには、不服申立規格を備えることが必要です。

最重要判例＜＜主婦連ジュース事件

総代

審理手続の迅速・円滑化を図るため、多数人が共同して審査請求をする場合、3人を超えない総代を互選して審査請求に関する行為を委任することができます。

総代が選任されたときは、共同審査請求人は、総代を通じてのみ行為をすることになります。

総代は、各自、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを除き、審査請求に関する一切の行為をすることができます。

代理人

審査請求人の活動能力を補充し便宜を与えるため、代理人によって審査請求をすることができます。

代理人は、各自、審査請求のために、審査請求に関する一切の行為をすることができますが、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができます。

権限を有する行政庁に対してなうこと

審査請求を処理する権限を有する行政庁に対して、審査請求がなされることが必要です。

審査請求期間内になすこと

処分についての審査請求においては、行政上の法律関係の早期安定の要請と国民の権利利益の実効的救済との調和の観点から、比較的短期の審査請求期間が法定されており、この期間を経過すると審査請求ができなくなります。

不作為についての審査請求

不作為についての審査請求には、審査請求期間の規定がないので、不作為状態が継続している限りすることができます。

形式と手続を尊寿すること

審査請求書の提出

審査請求は、他の法律・条例に口頭でできる旨の定めがある場合を除き、審査請求書を提出してしなければなりません。

審査請求の存在や争点を明確にし、手続を慎重に進めるためです。

審査請求書の記載事項

審査請求書には、以下の事項を記載する必要があります。

処分	・審査請求人の指名、名称及び住所、居所 ・審査請求にかかる処分の内容 ・審査請求に係る処分があったことを知った年月日 ・審査請求の趣旨及び理由 ・処分庁の教示の有無及びその内容 ・審査請求の年月日
不作為	・審査請求人の指名、名称及び住所、居所 ・不作為にかかる処分についての申請の内容及び年月日 ・審査請求の年月日

審査請求書の補正

審査請求が不適法なものであるときは、本来、その審査請求は却下されるべきはずです。

しかし、すぐに審査請求を却下するのでは、国民の権利救済の観点から行政不服審査制度を設けた異議が失われてしまいます。

そこで、審査請求書が19条の規定に違反する場合には、審査庁は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければなりません。

それではまた次回。

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