憲法の次は、基礎法学ね!
まずは、「法」と「道徳」の違いを学習するモン!
本ブログでは、行政書士の試験科目「法学概論・法とは何か」について要約しています。
行政書士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。
ほんのわずかでも、行政書士試験を受験される方の手助けになれたら幸いです。
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法と道徳
社会生活の中で、それぞれが自分のしたいように行動していたら、争いが生じ社会秩序が乱れてしまいます。
そこで社会秩序を守るために、社会規範が必要となります。
社会規範には「法」と「道徳」に分かれます。
法と道徳
意味 | 特徴 | |
法 | 国家という政治社会において、 政治的権力作用を背景に強制される社会規範 | ・国家による制裁を伴う ・人間の外面的な行為に関係する規範 ・法的義務には原則として相手方が存在する ・法的義務は他の動機に基いて行われることを許容する |
道徳 | 善を理念として誠実・仁義などの 多元的な価値判断を成す社会規範 | ・国家による制裁を伴わない ・人間の内心に関係する規範 ・道徳上の義務には相手方が存在しない ・道徳上の義務は自らの意思により行われることを要求する |
成文法(制定法)
法は、文字・文章で表現され所定の手続に従って定立される成文法(制定法)と、社会における実践的慣行を基礎として生成する不文法に大別されます。
成文法主義
成文法は、日本のような成文法主義をとる大陸法系諸国においては、他の法源に優先する第一順位の法源として中心的な地位を占めています。
成文法主義は、社会に行動基準を指示し、裁判官に裁判の基準を明確に示すという長所がある反面、時代の変化に即応しにくいという短所があります。
成文法の分類
公法・私法・社会法
意味 | 具体例 | |
公法(タテ) | 国家の統治権の発動に関する法 | ・憲法 ・行政法 ・刑法 ・訴訟法 |
私法(ヨコ) | 私人間の法律関係を規律する法 | ・民法 ・商法 |
社会法 | 生存権理念に基づき、私的自治に対する 国家権力または集団的自治による制限を定める法 | ・労働法 ・社会保障法 |
実体法と手続法
意味 | 具体例 | |
実体法 | 権利・義務の種類・変動・効果を規律する法 | ・民法 ・刑法 ・商法 |
手続法 | 実体法を具体的事件に適用する手続きに関する法 | ・訴訟法 ・不動産登記法 ・戸籍法 |
成文法相互の関係
上位法と下位法
成文法には、上下関係があります。
成文法の上下関係
憲法 | 国の根本について定めた法 |
法律 | 国会が制定した法 |
政令(命令) | 内閣が制定した法 |
内閣府令(命令) | 内閣総理大臣が制定した法 |
省令(命令) | 各省大臣が制定した法 |
規則(命令) | 委員会や庁の長官が制定した法 |
条例 | 地方公共団体の議会が制定した法 |
規則 | 地方公共団体の長が制定した法 |
一般法と特別法
一般法とは、一般的に制定した法令で、特別法とは、特定の場合・人・地域に限って適用される法令です。
特別法の方が優先して適用され、一般法は、特別法に規定のない事項についてのみ補完的に適用されます。
一般法と特別法
前法と後法
時間的に後に制定された後法は、先に制定された前法に優先して適用されます。
基本法
教育基本法・環境基本法など「基本法」という名前を持つ法律であっても、各議員の通常の多数決を経て制定されます。
また、通常の法律をもって基本法の規定を改廃することもできます。
不文法
不文法には、以下の種類があります。
判例
判例とは何か
判例とは、先例として機能する裁判例・判決例です。
判例は、英米法系の国では、後の事件に対して法的な拘束力を有する法源とされてきましたが、大陸法系の国では法源とされてきませんでした。
しかし日本(大陸法系)では、先例の判例に従うことが裁判実務上の慣行となっており、判例も法源とされています。
判決理由の拘束力
英米法系の国では、判決理由のうち結論を導く上で必要な部分をレイシオ・デシデンダイ、それ以外の部分を傍論(オピタ・ディクタム)と呼び、前者には判例法としての拘束力を認めていますが、後者には拘束力を認めていません。
慣習法
慣習法とは、一定の行動様式が繰り返し行われることで定着し、自分たちの行動の正当化理由として用いることによって、法として確信するようになったものです。
条理
条理とは、社会生活において相当多数の人々が一般的に承認している道理・筋道です。
それではまた次回。
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