建物区分所有法は、毎年1問出題されるわ。
暗記の負担が多い分野だけど頑張るモン。
本ブログでは、宅建士の試験科目「建物区分所有法」について要約しています。
宅地建物取引士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。
ほんのわずかでも、宅地建物取引士を受験される方の手助けになれたら幸いです。
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建物区分所有法
建物区分所有法への苦手意識を持たずに、しっかりと学習しましょう。
建物区分所有法とは
分譲マンションを、「区分所有建物」といいます。
したがって、建物区分所有法は、マンションについての法律です。
なお、ワンオーナーの賃貸型アパートなどは、建物区分所有法の対象外となります。
区分所有者の部屋を借りている人は、「占有者」といいます。
専有部分
専有部分の床面積は、壁の内側線(内法)で測ります。
共有部分
共有部分は、区分所有者全員で使うものなので共有となり、持分は専有部分の床面積の割合で決まります。
なお、規約で別段の定めをすることはできますが、区分所有者・管理者以外の者が共有部分を所有することはできません。
共有部分の登記に関しては、法定共有部分は登記できませんが、規約共有部分は登記することで第三者に対抗できます。
その際の登記は表題部です。
- 保存行為→単独でできる
- 管理行為→区分所有者および議決権の各過半数の集会議決
- 変更行為(軽微)→区分所有者および議決権の各過半数の集会議決
- 変更行為(重大)→区分所有者および議決権の各3/4以上の集会議決
費用については、規約に別段の定めがない限り、区分所有者が持分に応じて負担します。
また、管理行為・変更行為によって特別の影響を受ける区分所有者がいる場合、その者の承諾が必要です。
- 議決権=持分面積
- 区分所有者数=人数
敷地利用権
マンションの土地については、全員で所有権などを共有しており、この共有している持分のことを「敷地利用権」と言います。
敷地利用権の割合は、共用部分と同様、規約で定めのない限り、専有部分の床面積の割合によります。
なお、規約で別段の定めがない限り、「敷地利用権」を「専有部分」とを分離して処分することはできません。
管理と規約
管理組合には全員参加で、規約は全員が守らなければいけません。
管理組合
マンションには、自治組織のような「管理組合」があります。
管理組合へは、任意加入ではなく全区分所有者が自動的に加入します。
管理組合
- 管理組合には「管理者」を置くことができる
- 管理者は集会の決議によって選任・解任する
- 区分所有者以外も管理者になれる
- 管理者は区分所有者のために裁判の原告・被告になれる
- 管理組合を法人化できる
- 法人化には
・区分所有者および議決権の各3/4以上必要
・登記が必要
・理事と監事が必要
規約
各マンションで決めた独自のルールを、「規約」といいます。
規約
- 規約の設定・変更・廃止は、区分所有者および議決権の各3/4以上の集会議決で行う
- 規約の設定・変更・廃止によって特別の影響を受ける者がいる場合は、その者の承諾が必要
- 規約は書面or電磁的記録によって作成する
- 規約は管理者が保管して、建物内の見やすい場所に保管場所を提示する
- 閲覧したい者には、正当な理由がある場合を除いて閲覧させる
最初に建物の専有部分の全部を所有する者(分譲会社など)は、公正証書によって、一定の事項について規約の設定ができます。
- 規約共用部分に関する定め
- 規約敷地に関する定め
- 専有部分と敷地利用者の分離処分を可能とする定め
- 敷地利用権の割合の定め
また、規約は区分所有者だけではなく、包括承継人(相続人)・特定承継人(売買で購入した者)・占有者も守る必要があります。
集会と会議
集会で決まったことは、区分所有者だけではなく、占有者も守る必要があります。
集会の招集
管理者は、毎年1回集会を招集しなければなりません。
管理者がいる場合
- 区分所有者の1/5以上で、議決権の1/5以上を有する者は、管理者に対して集会の招集を請求できる
- 定数は規約で減らせる(集会を開きやすくする)
- 定数は増やせない
管理者がいない場合
- 区分所有者の1/5以上で、議決権の1/5以上を有する者は、集会を招集をできる
- 定数は規約で減らせる(集会を開きやすくする)
- 定数は増やせない
招集通知
集会の招集通知は、少なくとも開催日の1週間前(規約で伸縮可能)に、会議の目的時効を示して通知しなければなりません。
ただし、建て替え決議の場合には2か月前(規約で伸長可能)に通知する必要があります。
また、全員の同意があれば、招集手続きを省略できます。
決議
決議には原則として過半数の賛成が必要ですが、以下の事項は例外です。
3/4以上 | 共有部分の重大変更(区分所有者数のみ過半数まで減らせる) |
3/4以上 | 規約の設定・変更・廃止 |
3/4以上 | 管理組合法人の設立・解散 |
3/4以上 | 義務違反者に対する占有部分の使用禁止請求訴訟 |
3/4以上 | 義務違反者に対する区分所有者の競売請求訴訟 |
3/4以上 | 義務違反者(占有者)に対する引渡し請求訴訟 |
3/4以上 | 大規模滅失の場合の復旧 |
4/5以上 | 建替え |
集会で決まったことは、区分所有者だけではなく、特定承継人・占有者も守らなければいけません。
占有者は、会議の目的事項につき利害関係を有する場合には、集会に参加して意見をいえますが、議決権はありません。
義務違反者に対する措置
- 単独でできる
- 訴訟をする場合は区分所有者・議決権の各過半数の決議が必要
- 区分所有者・議決権の各3/4以上の決議が必要
- 決議を経たうえで訴訟する
- 区分所有者・議決権の各3/4以上の決議が必要
- 決議を経たうえで訴訟する
復旧および建替え
共有部分を復旧および建替えをするには、以下の決まりがあります。
小規模滅失 (建物価格の1/2以下) | ・単独で復旧できるが、実際には区分所有者・議決権の各過半数の決議が必要 ・復旧決議がある場合には、単独復旧はできない |
大規模滅失 (建物価格の1/2超) | ・区分所有者・議決権の各3/4以上の決議が必要 ・反対者から買い取り請求可能(出ていくから買い取って) |
建替え | ・区分所有者・議決権の各4/5以上の決議が必要 ・賛成者から売り渡し請求可能(作業が進まないから出て行って) |
それではまた次回。
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