意外と混乱する分野かもしれないわ。
落ち着いてしっかりと学習するモン。
本ブログでは、宅建士の試験科目「保証・連帯債務」について要約しています。
宅地建物取引士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。
ほんのわずかでも、宅地建物取引士を受験される方の手助けになれたら幸いです。
- 九州を拠点に自動車販売店を経営
- 2015年より金融系ブログ作成
- ほったらかし投資が座右の銘
保証債務
重要な契約は必ず書面でします。
保証とは
債務者が借金を返せないときに、債務者の代わりに支払うという約束を「保証」といいます。
保証契約は書面でする必要があり、債権者と保証人の間で結ばれる契約なので、債務者が反対しても保証人になれます。
また、賃借人の委託を受けて、賃貸借契約上の一切の債務を保証している場合、保証人は賃貸人に情報の提供を求めることができます。
保証人になるのは怖いわ。
書面でしっかりと契約するんだモン
保証人になれる人
原則として、誰でも保証人になれますが、制限がある場合も出てきます。
- とくに制限はない
- 保証人が破産したりした場合には、債権者は保証人の交代をいえない(自己責任)
保証債務の性質
「絶対効」についてはしっかりと押さえておきましょう。
付従性(ふじゅうせい)
主たる債務が成立しないときには、保証債務も成立しません。
すなわち、お金を借りられなかったら保証債務も成立しないということです。
主たる債務が消滅したときには、保証債務も消滅します。
すなわち、完済したら保証債務も消滅するということです。
主たる債務があって、はじめて保証債務が存在します。
また、主たる債務者に生じた事由は保証人におよびますが、保証人に生じた事由は主たる債務者におよびません。
- CがAに承認した
- AC間の時効が更新される
- しかしAB間の時効は更新されない
保証人が履行すれば、主たる債務者の債務も消滅する
保証人が相殺すれば、主たる債務者の債務も消滅する
随伴性(ずいはんせい)
主たる債務が移動した場合には、保証債務も移動します。
補充性
保証人は、あくまでも主たる債務者が、弁済できなくなったときに登場するものです。
主たる債務者に請求せずに保証人に請求したのであれば、保証人は弁済を拒める。
主たる債務者に弁済の資力があれば、そこから支払うべきであり、保証人は弁済を拒める。
分別の利益
保証人が数人いる場合、それぞれの保証人は、主たる債務の額を保証人の数で割ることができます(分別の利益)。
個人根保証(こじんねほしょう)
継続する取引の中で、将来発生するであろう不特定の債務を保証するものを「根保証」といいます。
個人が根保証契約をする場合、極度額を定めなければ保証契約は無効になります。
なお、法人の場合には、極度額を設定する必要はありません。
連帯保証
連帯保証と保証はまったくの別物です。
連帯保証とは
連帯保証も保証の一種なので、基本的には同じですが、違う部分があります。
主たる債務者に請求せずに連帯保証人に請求したとしても、連帯保証人は弁済をしなければならない。
主たる債務者に弁済の資力があったとしても、連帯保証人は弁済を拒めない。
保証人が複数いる場合でも、債権者はその全員に対して全額を請求できる。
絶対効
連帯保証にも付従性がありますが、いくつか違う点があります。
保証人に生じた事由が主たる債務者にも生じるもの(絶対効)が、保証では「履行」「相殺」だけでしたが、連帯保証では「混同」「更改」が加わります。
債権と債務が同一人に帰属したときは、債権と債務を存続させていても意味がないので、その債権は消滅する
既存の債権を消滅させて、それに代わって別の債権を成立させる契約
お金とお金は相殺できますが、お金と土地は性質が違うので相殺できません。
お金と土地を相殺する場合は、更改(お金の代わりに土地を引き渡す契約へ変更)となります。
なお、更改の場合、土地の価格はまったく関係ありません。
連帯債務
連帯債務と連帯保証は、まったくの別物です。
連帯債務とは
3人でランチを食べに行きました。
A・B・Cは店員に対して、1,500円の「連帯債務」を負うので、店員は全員に全額請求できます。
Aが3人分をまとめて払ったので、債務は消滅しました。
その後Aは、BとCそれぞれに500円の支払いを要求します。
上記の要求を求償といいます。
相対効
1人に対して生じたものは、原則として、他の連帯債務者にはおよびません(相対効)。
前項の例では、Aに対して、BとCは1,000円の債務を負っていました(負担部分は1/2)。
AがBに債務の免除をしたとします。
それにより、A・B間の債務が消滅したとしても、A・C間の債務は消滅しません。
したがって、AはCに対して500円を請求できます。
なお、BとCの負担部分については、BとCの取り決めでAには関係ありません。
CはAに対して、「私の負担部分は500円なので500円だけ払えばいいですよね」とはいえないのです。
例外的に、「履行」「相殺」「混同」「更改」だけは、他の連帯債務者にも効力がおよびます。
それではまた次回。
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