
今回は、申請に対する処分を学習するわ!




条文が、法的義務か努力義務かを押さえるモン!
本ブログでは、行政書士の試験科目「行政手続法:申請に対する処分」について要約しています。
行政書士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。
ほんのわずかでも、行政書士試験を受験される方の手助けになれたら幸いです。
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申請に対する処分とは何か



申請とは、法令に基づき、自己に対し何らかのの利益を付与する処分を求める行為であって、行政庁が諾否の応答をすべきとされているものです。
そして、この申請に対して行政庁が行う処分のことを申請に対する処分といいます。
行政手続法は、申請を法に従って公正かつ迅速に処理するため、以下のような行政庁の手続上の義務を規定しています。
- 審査基準の設定
- 標準処理時間を定めたときの公開
- 申請の到達後の遅滞なき審査の開始
- 申請拒否処分をする場合の理由の提示
- 複数の行政庁が関与する処分の遅延の禁止
- 標準処理時間の設定
- 申請に係る審査の進行状況および当該申請に対する処分の時期の見通しの提供
- 申請に必要な情報の提供
- 公聴会の開催等により申請者以外の意見を聴く機会を設けること
- 複数の行政庁が関与する処分の審査の促進
審査基準



審査基準とは、申請により求められた許認可等をするかどうか、法令の定めに従って判断するために必要とされる基準のことです。
許認可等を行政庁の自由に委ねると、不公平な処分がなされるおそれがあります。
そこで行政庁は、審査基準を定めるものとされています。
行政庁は、審査基準を定めるにあたって、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければなりません。
また、審査基準は、行政上特別の支障がない限り、適当な方法により公にしておかなければならないとされています。
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標準処理期間



標準処理期間とは、申請が事務所に到達してから申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間です。
申請に対する処分がいつぐらいになされるかが不明だとすると、申請者は、いつまで待てばよいのか、今後どのように行動すればよいのかわからなくなってしまいます。
そこで行政庁は、標準処理期間を定めるよう努めるとともに、定めたときは、適当な方法により公にしておかなければならないとされています。
申請に対する審査・応答



行政庁は、申請が事務所に到達したときは、遅滞なく申請の審査を開始しなければならないとされています。
また、申請の形式上の要件に適合しない申請についても、そのまま放置することは許されず、速やかに、申請をした者に対し相当に期間を定めて申請の補正を求めるか、または、申請により求められた許認可等を拒否しなければなりません。
理由の提示



行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分(申請拒否処分)をする場合は、申請者に対し、同時に、処分の理由を示さなければならないとされています。
行政庁の判断を慎重にさせたり、申請者が申請拒否処分を不服として争う場合の情報を提供するためです。
ただし、法令に定められた許認可等の要件または公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、申請がこれらに適合しないことが申請書の記載または添付書類その他の申請の内容が明らかであるときは、申請者の求めがあったときに示せば足ります。
なお、申請拒否処分を書面であるときは、理由も書面で示さなければなりません。
その他の規定



情報の提供
行政庁は、申請者の求めに応じ、申請に係る審査の進行状況および申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければなりません。
また、行政庁は、申請をしようとするものまたは申請者の求めに応じ、申請者の記載および添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければなりません。
公聴会の開催等
行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければなりません。
すべての案件について公聴会の開催等を義務付けるのは合理的でなく、行政庁の負担も大きくなることから、公聴会の開催等は努力義務にとどまっています。
複数の行政庁が関与する処分
複数の行政庁が関与する処分については、行政庁の間で申請がたらい回しにされ放置されるおそれが強いです。
そこで行政庁は、複数の行政庁が関与する処分の遅延の禁止や、行政庁間の協力による審査の促進の努力義務を規定しています。
それではまた次回。






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