日経225オプション取引の商品は、最終的にはほとんどが0円になります。
日々価格が下がっていき、最後はほとんどの商品が0円になる。
日ごとに価格が下がっていくのであれば、売り注文から入って買いもどしたくなりますよね(空売り)。
空売り
空売りは、商品の価格が高いときに売って、価格が安くなったら買いもどして利益をねらいます。
たとえば100円の商品を売って、後に50円になったときに買いもどせば50円(実際は×1,000倍の50,000円)の利益です。
何だか「サギ」っぽいわ。
サギっぽいけど、本当の話しだモン。
株式投資やFXではまずお目にかかれない、「日々価格が下がり0円になる商品」を売るというステキな取引をはじめてみませんか。
本記事では、冷静かつ淡々と「ほったらかし投資」で利益を出しつづけるコールの売り戦略について書いています。
しかしながら、決して ”ドカン” ともうかる取引方法ではありませんので、あらかじめご了承ください。
本記事は下記の書籍を参考にしています。
コールの売り戦略へようこそ💘
- 九州を拠点に自動車販売店を経営
- 2015年より金融系ブログ作成
- ほったらかし投資が座右の銘
日経225オプション取引のいずれ0円になる商品
本記事を読み進める前に、日経225オプションとは?|コール・プットなどの用語を解説!を読んでいただけると本記事が理解しやすくなります。
読んでみようかしら。
読んだほうがいいモン。
それでは、いずれ0円になる商品について説明します。
0円になる商品
いずれ0円になる商品とは、日経225オプション取引のオプションのことです。
日経225オプション取引では、上記の「コール」と「プット」というオプションを売買して利益をねらいます。
そしてほとんどのオプションの価格が、取引の満期日には0円になるのです。
*オプションの価格をオプション料といいます。
オプションの価格(オプション料)
「信用取引」の空売りには金利がかかりますが、日経225オプション取引の空売りには金利はかかりません(信用取引とは?)。
日経225オプション取引は「差金決済」なので、実際に株式などの現物を持たなくていいからです(差金決済とは?)。
差金決済(さきんけっさい)
(例)110円のオプションを売って、100円になったら買いもどすケース
オプション料が110円のときに売る(110円手元に残る)。
オプション料が100円に下がったら、100円でオプションを買いもどす(100円支払う)。
手元に残った10円が利益(110円-100円=10円)。
くり返しになりますが、取り引きする商品がいずれ0円になるのであれば、売らない理由など無いですよね。
*すべてのオプションが0円になるわけではありません。
つぎは、コールオプションについて説明します。
コールオプション
ある商品を将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格(=権利行使価格)で買う権利のこと。
野村證券
権利行使価格 (上図の〇〇円)よりも日経平均株価が高くなると利益が出る商品を、コールオプション(買える権利)といいます(権利行使価格とは?)。
買い手目線
日経平均株価が、権利行使価格 よりも上がると予想すればコールオプション(以下、コール)を買います。
コール10000の買いポジション
【コール10000は日経平均株価を「10,000円」で買える権利】
- 買い手は、日経平均株価「11,000円」を「10,000円」で買える。
- 「11,000円-10,000円」で、買い手は1,000円の利益になる。
権利行使(1)
オプションの買い手は権利を得る対価として、売り手に対してオプションプレミアムを支払います。なお、買い手は権利を行使しても利益にならない時には、権利を放棄することができます。
ニッセイアセットマネジメント株式会社
コール10000の買いポジション
【コール10000は日経平均株価を「10,000円」で買える権利】
- 買い手は、権利を行使すれば日経平均株価「9,000円」を「10,000円」で買うことになる。
- (買えば)1,000円の損失になるので取引しない。
- 買い手は、売り手に支払うオプション料だけが損失になる。
権利破棄(1)
オプションの買い手は、自分に不利な取引はしなくてもいいのね。
逆に売り手は、買い手に従わなくてはいけないんだモン。
買える権利
オプションの買い手は、オプション料を先払いしているので、売り手よりも立場が強くなります( ´艸`)
売り手目線
日経平均株価が、権利行使価格 よりも上がらないと予想すればコールを売ります。
コール10000の売りポジション
【コール10000は日経平均株価を「10,000円」で買える権利】
- 買い手は「11,000円」の日経平均株価を「10,000円」で買う。
- 売り手は「11,000円」の日経平均株価を「10,000円」で売ることになる
- 「10,000円ー11,000円」で1,000円の損失になる。
権利行使(2)
コール10000の売りポジション
【コール10000は日経平均株価を「10,000円」で買える権利】
- 買い手が権利を行使すれば、売り手は「9,000円」の日経平均株価を「10,000円」で売ることになる。
- (売れば)1,000円の利益になるが、買い手は自分に不利な取引をしない。
- 売り手は、買い手が支払うオプション料のみが利益になる。
権利破棄(2)
オプションの売り手は、オプション料を先に受けとっているので、買い手よりも立場が弱くなります( ´艸`)
売り手の損失は無限だから、オプションの売りは危険だわ。
しっかりと対策すれば大丈夫だモン。
対策については後述します。
プットオプション
ある商品を将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格(=権利行使価格)で売る権利のこと。
野村證券
権利行使価格よりも、日経平均株価が安くなると利益が出る商品をプットオプション(売れる権利)といいます。
日経平均株価が、権利行使価格 よりも下がると予想すればプットオプション(以下、プット)を買います。
コールとは真逆なのね。
プットオプション
たとえば「プット10000」は、日経平均株価を10,000円で売れる権利となります。
プットの買い手も、自分に不利な取引はしなくていいんだモン。
プットオプションについて詳しくは、日経225オプション取引|ファープット買いは掛けすて保険をご参考ください。
オプション料には2つの価値
オプション料は、「本質的価値」「時間価値」という2つの価値をもっています。
オプション料の価値(コール)
本質的価値
コールの本質的価値は、日経平均株価から権利行使価格を引いた分(利益)となります。
コールの本質的価値
逆にプットの本質的価値は、権利行使価格から日経平均株価を引いた分です。
プットの本質的価値
- コールの本質的価値は、日経平均株価が権利行使価格を超えれば超えるほど高くなる。
- プットの本質的価値は、日経平均株価が権利行使価格より低ければ低いほど高くなる。
時間価値
時間価値は、現在からSQ日までの時間(日数)です。
ポジションをすべて清算するSQ日までの日数が多ければ多いほど、利益になる確率は高くなります。
また利益になる確率が高ければ高いほど、期待感も高まります。
したがって~
- SQ日までの日数が多いほどオプション料は高くなる。
- SQ日までの日数が少ないほどオプション料は安くなる。
- 取引開始日からSQ日に向けて、オプション料は日に日に下がっていく。
となります。
期待感はオプション料として価格で表され、SQ日(満期日)までの日数が多いほどオプション料は高くなるのです。
逆にSQ日までの日数が少なくなるほど期待感は低くなり、オプション料は安くなります。
時間価値
時間価値の減少に目をつけて、SQ日からほどよく離れたコールを売っていずれ買いもどすオプション戦略。
時間価値の減少があるからこそ、コール売り戦略は成り立つのです。
日経225オプション取引の必要証拠金
オプション取引は、「証拠金」を証券会社に預けることで掛け金の20倍前後の取引ができます(証拠金とは?)。
てこの作用(レバレッジ)のように、1万円の所持金で20万円前後のオプション取引ができるのです。
ちなみに、信用取引のレバレッジは約3倍です。
レバレッジを掛けすぎている取引では、日経平均株価のちょっとした動きでもすぐに所持金が吹き飛んでしまいます。
『世界一やさしい日経225オプション取引の教科書1年生』にも書かれていますが、 必要証拠金の少なくとも3倍は軍資金を用意してください。
証拠金
証拠金の計算方法は非常に複雑なので、各証券会社の「SPANシミュレーター」を使いましょう。
証拠金は「担保」です。
担保を取られないように、くれぐれも用心して取引きしてください。
コール売り戦略
お待たせしました。
コール売り戦略の本題に入ります。
プットは売らない
「コール」「プット」の両方ともほとんどが0円になるのですが、基本的にはコール売りをオススメします。
日経平均株価は過去の統計によると、大暴落の回数が大暴騰とくらべて圧倒的に多いからです。
プットの売りポジションを持っていて、大暴落に遭遇したら大変なことになってしまいます。
できるだけプットは売らずに、コールを売ってください。
コール売りの必須条件
コール売り戦略を行うには、以下の3つが必須条件となります。
- SQ日までの日数は20~50日(営業日のみ数える)。
- オプション料は15円~20円(実際は×1,000倍の15,000円~20,000円)。
- 権利行使価格と日経平均株価との差が2,000円以上はなれている。
必ず守りましょう。
極力損切りは控える
画面左の列はコール、右の列はプットです。
基本的には、コールのオプション料が一桁になったら買いもどします。
オプション料が一桁になると、価格が下がりにくくなるからです。
したがって、1つの取引で、5,000円から10,000円の利益(オプション料では5円~10円)をつみ重ねてください。
また株式取引やFXのように、頻繁にロスカット(損切り)することは控えたほうがいいと思います(ロスカットとは?)。
オプションの値動きはけっこう多いうえに、数十円の値動きはザラです。
100円 (実際は100×1,000で10万円) までの暴騰に耐えるためにも、レバレッジは小さくしてください。
まとめ
知的な日経225オプション取引を安全に楽しむためには、下記の3つを必ず守ってください。
- 日経平均株価があまり動いていない時機をねらう。
- 大きなイベント(選挙や災害)前後での取引は避ける。
- 株式相場の「大暴騰」「大暴落」の直後の取引は避ける。
わたし自身「2020年」「2021年」の選挙期間中に、日経平均株価の大暴騰(コール売り戦略大失敗)に飲みこまれてしまいました。
コール売り戦略大失敗
一時、立ち上がれなかったです...。
コール売り戦略の「必須条件」「厳守事項」をしっかりと覚えて、また必ず守ってオプション戦略を楽しんでください。
- 「ほったらかし投資」とは読んで字のごとく、商品を買ったあとは ”ほったらかし” ているだけの投資方法。
- 「ほったらかし投資」の中身はさまざまだが、投資のプロやAIに売買をまかせるというのが基本。
- 「ほったらかし投資」は、<初心者も始めやすい><少額から始められる><長期投資に有効な>投資方法。
それではまた。
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