行政書士|合格への道【行政法の一般的な法理論】行政上の強制措置

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クマ美

今回は、行政上の強制措置を学習するわ!

くまケン

全体像を把握することが重要だモン!

本ブログでは、行政書士の試験科目「行政法の一般的な法理論:行政上の強制措置」について要約しています。

行政書士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。

ほんのわずかでも、行政書士試験を受験される方の手助けになれたら幸いです。

記事を書いた人
  • 九州を拠点に自動車販売店を経営
  • 2015年より金融系ブログ作成
  • ほったらかし投資が座右の銘
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目次

行政上の強制措置の全体像

行政機関が国民に対して強制力を加えることにより、行政目的を実現する手段が認められています(行政上の強制措置)。

行政上の行政措置には、将来に向けて一定の状態を実現する行政強制と、過去の違反行為に対して制裁を科す行政罰があります。

行政強制には、国民が行政上の義務を履行しない場合になされる行政上の強制執行と、国民に行政上の義務の不履行がないにもかかわらずなされる即時強制があります。

行政上の強制措置

行政上の強制措置
行政上の強制措置
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行政上の強制執行

行政上の強制執行とは、行政上の義務が履行されない場合に、行政機関が強制的に義務を履行させまたは履行があったのと同一の状態を実現する行為です。

行政上の強制執行は、国民の権利義務に影響を及ぼすので、法律による行政の原理(法律の留保の原則)から、法律の根拠が必要です。

なお、行政上の義務を履行させるためには、行政庁が自ら行政上の強制執行を行う必要があり、民事訴訟を提起して裁判所に強制執行してもらうことはできません。

最重要判例<<宝塚市パチンコ店規制条例事件

行政上の強制執行には、

  • 代執行
  • 執行罰
  • 直接強制
  • 行政上の強制徴収

の4種類があります。

代執行

代執行とは何か

代執行とは、代替的作為義務を履行しない義務者に代わって、行政機関がその義務を履行し、または第三者に履行させて、その費用を義務者から徴収することです。

代執行を含めた行政上の義務の履行確保については、行政代執行法の定めるところによるとされています。

代執行の要件

  • 代替的作為義務が履行されないこと
  • その義務が法律または法律に基づき行政庁により命ぜられたものであること
  • 他の手段によってはその履行を確保することが困難であること
  • 不履行を放置することが著しく公益に反すると認められること

代執行の手続

代執行の手続は、「戒告・通知」「代執行の実施」「費用の徴収」という流れで行われます。

代執行をするためには、まず、相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされなければ代執行をなすべき旨を文書で戒告し、それでも履行がなされない場合、代執行令書による通知を行います。

代執行を実施する際には、執行責任者が証票を携帯しなければなりません。

代執行に要した徴収については、実際に要した費用の額及びその納期日を定め、義務者に対し、文書をもってその納付を命じなければならず、国税滞納処分の例により徴収できます。

執行罰

執行罰とは、義務者に自ら義務を履行させるため、あらかじめ義務を履行しない場合には過料を科すことを予告し、それでも義務を履行しない場合にはそのつど過料を徴収することです。

執行罰は刑罰ではないので、反復して課しても二重処罰を禁止した憲法39条に違反しません。

したがって、相手方が義務を履行するまで反復して課すことができます。

直接強制

直接強制とは、義務者が義務を履行しない場合に、直接義務者の身体または財産に有形力を行使して、義務の内容を実現することです。

直接強制は、即効的な執行方法であり行政上の義務の履行を確保するのに強力な力を発揮しますが、過酷な人権侵害を伴うおそれが強い手続なので、現行法は一般的制度としては認めておらず、個別の法律の根拠を必要とします。

行政上の強制徴収

行政上の強制徴収とは、義務者が金銭を支払う義務を履行しない場合に、直接義務者から金銭を徴収することです。

行政上の強制徴収は、国税徴収法の定めが基本となっていますが、国税徴収法は、国税債権以外の行政上の金銭債権の徴収に当然に適用されるものではありません。

そのため、国税債権以外の行政上の金銭債権に同法の定める強制徴収手続を適用するには、法律に当該債権の徴収は「国税滞納処分の例による」といった明文の規定が必要になります。

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即時強制

即時強制とは、義務を命じる余裕がない場合に、直接相手方の身体または財産に有形力を行使して、行政目的を実現することです。

即時強制は、国民の身体・財産を制約するものなので、法律による行政の原理から、法律の根拠が必要です(地方公共団体の定める条例も可)。

なお、即時強制については、個別の法律にその手続等に規定が置かれているにすぎず、通則的な規定は存在しません。

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行政罰

行政罰とは何か

行政罰とは、行政上の義務違反に対し、一般統治権に基づいて、制裁として課せられる罰です。

行政罰も、国民の権利義務に影響を及ぼすので、法律による行政の原理から、法律の根拠が必要です(地方公共団体の定める条例も可)。

行政罰の分類

行政罰は、行政刑罰と秩序罰の2種類に分類されます。

行政刑罰

行政刑罰とは、行政上の義務に違反したことに対し、刑法典に刑名のある罰(死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料)を科すことです。

行政刑罰は、刑事訴訟法に従い刑事裁判によって科されます。

秩序罰

秩序罰とは、各種の届け出義務違反など、直接的には国民の生活に悪影響を及ぼさない軽微な形式的違反行為に対し、過料を科すことです。

法律違反に対する秩序罰は、非訟事件手続法の定めるところにより、裁判所の決定によって科されます。

これに対して、条例違反に対する秩序罰は、地方自治法の定めるところにより、地方公共団体の長の処分によって科されます。

それではまた次回

大きいくまケン
くまケン

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この記事を書いた人

日々の相場の動きに動じない、「ほったらかし投資」についていろいろと語ってみました。
「ほったらかし投資」は、こころとからだにやさしい投資スタイルです。
今まで金融投資には興味が無かった方が、少しでも金融投資の世界に興味を持っていただけるとうれしいです。宮崎県出身 鹿児島大学法文学部卒 

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