クマ美は、3級ファイナンシャル・プランナー技能士なの。
次は、2級ファイナンシャル・プランナー技能士を目指すんだモン。
重要な経済指標が発表されると、市場(株式・債券・為替など)は敏感に反応します。
ファイナンシャル・プランナー(以下FP)の仕事は、効率的な資産運用を顧客に提案することです。
そのためFPは、「経済と金融市場」の基礎と関連性をしっかりと把握することが大変重要です。
本ブログでは、金融資産運用の「経済・金融市場の基礎」について要約しています。
2級FP技能士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。
ほんのわずかでも、2級FP技能士を受験される方の手助けになれたら幸いです。
経済指標と景気指標の基本
主な経済・景気指標を解説します。
GDP(国内総生産)
国内の経済活動によって生み出された、財・サービスの付加価値の合計を「GDP」といいます。
国の経済力を表す代表的な経済指標です。
内閣府から年に4回(四半期ごと)発表されます。
GDPは何の略語なのかしら?
Gross Domestic Productの略だモン。
GDPと経済成長率
経済成長率は、経済(国)の年間上昇率です。
GDPの年間の上昇率で表され、以下の2つがあります。
物価変動を含めた取引金額をベースとした数値
名目GDP成長率から物価変動率を差し引いた数値
三面等価の原則
GDPは、「生産」「支出」「分配」という3つの側面から算出されます。
そして最終的には、生産=支出=分配と同じ数値になるという「三面等価の原則」があります。
生産と支出はわかるけど~分配は?
分配は給与と覚えればいいモン。
景気動向指数
景気動向指数は、生産や雇用の指標から経済の先行きを予測した指標です(内閣府が毎月発表)。
景気動向指数には、「CI(コンポジット・インデックス)」「DI(ディフュージョン・インデックス)」の2つがあります。
- CI=景気動向の大きさ・テンポを測定
- DI=景気波及の度合いを測定
昔はDIが重視されていたわ。
DI(じ)は時代(じだい)遅れ、現在はCIが中心だモン。
CIとDIには、それぞれ以下3つの指数があります。
- 新規求人数(除学卒)
- 東証株価指数
- 新設住宅着工床面積etc
景気判断には一致指数が使われます。
一致指数が上昇のときは、景気の拡張局面です。
- 有効求人倍率(除学卒)
- 生産指数(鉱工業)
- 営業利益(全産業)etc
- 完全失業率
- 消費者物価指数
- 法人税収入etc
新規求人数は、その月に受け付けた求人数だわ。
有効求人数は、前月から繰越された求人数+新規求人数だモン。
日銀短観
日本銀行が年に4回(3・6・9・12月)、全国の企業(資本金2,000万円以上)に対して行う調査を「日銀短観」といいます。
日銀短観のなかで最も注目されるのが、「業況判断DI」です。
【国際収支統計】
- 外国との経済取引を記録・集計した統計
- IMFが策定した国際収支マニュアルに準拠して作成される
- 財務省と日銀の共同発表
マネーストック
国や金融機関以外の、「個人」「企業」「地方公共団体」が保有している通貨の総量を「マネーストック」といいます。
マネーストックは、日銀が毎月発表しています。
物価指数(ぶっかしすう)
モノやサービスの価格の動向を示す物価指数は、主に以下の2つです。
- 日銀が毎月発表
- 原油・為替相場の影響を受けるので変動が激しい
- 総務省が毎月発表
- 消費税等も物価に含まれる
指標を発表する機関(まとめ)
GDP | 内閣府 | 年に4回 |
景気動向指数 | 内閣府 | 毎月 |
日銀短観 | 日銀 | 年に4回 |
国際収支統計 | 財務相・日銀 | 毎月・毎年 |
マネーストック | 日銀 | 毎月 |
企業物価指数 | 日銀 | 毎月 |
消費者物価指数 | 総務省 | 毎月 |
景気循環と金利
景気は、好況(良い景気)と不況(悪い景気)を繰り返していきます。
景気の繰り返しを「景気循環」といいます。
景気循環=4つの局面
景気と金利の関係
景気と金利は密につながっています。
- 景気拡大期
企業の活動が活発→資金需要が増加→金利上昇 - 景気後退期
企業の活動が縮小→資金需要が低下→金利低下
- マネーストックが増える→通貨量が増加→金利低下
- マネーストックが減る→通貨量が減少→金利上昇
- 物価が上がる→金融引き締め→金利上昇
- 物価が下がる→金融緩和→金利低下
- 円安→輸入物価が上昇→物価上昇→金利上昇
- 円高→輸入物価が下落→物価下落→金利低下
お金の量↑物価↓で金利が下がるわ。
お金の量↓物価↑で金利が上がるモン。
景気と株価の関係
景気と株価の関係にも法則性があります。
景気と株価
物価と景気の関係
物価の変動は、景気の先行きを左右させます。
「インフレーション」と「デフレーション」です。
- インフレーション=物価が継続して上昇している状態
- デフレーション=物価が継続して下落している状態
インフレーションはお金の価値を下げ続け、逆にデフレーションはお金の価値を上げ続けます。
金融市場と金融政策
金融は、「お金を融通」すると書きます。
したがって、「金融市場」はお金をやりくりするところ、お金を借りたり貸したりするところです。
私たち個人は、金融市場に参加できません。
金融市場の参加者
- 銀行
- 証券会社
- 保険会社
- 一般企業
- 日銀
金融市場のしくみ
金融市場では、主に「金融機関同士」「金融機関と一般企業との間」で取り引きします。
金融市場の期間
- インターバンク市場=金融機関のみ参加できる短期金融市場(手形市場・コール市場etc)
- オープン市場=一般企業も参加できる短期金融市場
- 取引期間1年未満=短期金融市場
- 取引期間1年以上=長期金融市場
金融市場のしくみ
債券市場では、さまざまな債権が取引されています。
その中でも10年物国債の利回りは、長期金利の指標となっています。
日銀の金融政策
日銀は、物価を安定させることを目的として、さまざまな金融政策を行います。
公開市場操作
買いオペレーション(買いオペ)
日銀が金融市場で国債などを買う
日銀がお金をはらう
通貨供給量が増える
金利が下がる
売りオペレーション(売りオペ)
日銀が金融市場で国債などを売る
日銀がお金をもらう
通貨供給量が減る
金利が上がる
預金準備率操作
日銀は、預金準備率を上げたり下げたりして金融市場の通貨量を調整します(預金準備率操作)。
- 金融機関がより多くの預金を日銀に預ける
- 金融市場の資金が減る
- 金利上昇
- 金融機関が日銀に預ける預金が減る
- 金融市場の資金が増える
- 金利低下
支払い準備率とも言うわ。
法定準備率とも言うモン。
日銀の金融政策と物価変動
日銀は、公開市場操作や預金準備金率操作により金利を調整することで、物価を安定させます。
金利低下→景気の回復を促進→物価の下落を抑制
金利上昇→景気の過熱を抑制→物価の上昇を抑制
インフレやデフレが経済に悪影響を及ぼす可能性が出てくると、日銀は金融政策を実施します。
金融政策
わたしはハト派だわ。
ぼくはタカ派だモン。
財政政策
最後は、政府が行う財政政策についてです。
財政政策
日銀の金融政策と同じように、政府が「歳入」「歳出」によって、経済を安定化させることを「財政政策」といいます。
金融政策と財政政策は、ともに経済政策の柱です。
歳入と歳出
- 【歳入】税金や国債の発行などで得られる収入
- 【歳出】公共事業費や社会保障費などの歳出
財政政策の3つの機能
- 【資源配分】公共サービスや公共施設への投資
- 【所得再分配】税金の再分配
- 【経済の安定化】減税や公共事業
公共事業?
雇用の拡大や、所得の増加につながるモン。
それではまた次回。
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