クマ美は、3級ファイナンシャル・プランナー技能士なの。
次は、2級ファイナンシャル・プランナー技能士を目指すんだモン。
本ブログでは、不動産の「不動産に関する法令上の規則」について要約しています。
借地借家法・都市計画法・建築基準法などの、不動産に関する法令を学びます。
2級FP技能士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。
ほんのわずかでも、2級FP技能士を受験される方の手助けになれたら幸いです。
- 九州を拠点に自動車販売店を経営
- 2015年より金融系ブログ作成
- ほったらかし投資が座右の銘
借地借家法
「借地借家法」は、土地建物の賃貸借契約において、借主の保護を目的にした法律です。
借地権
建物の所有を目的に土地を借りる権利を「借地権」といいます。
借地権には、「普通借地権」と「定期借地権」があります。
普通借地権
普通借地権は、存続期間(契約期間)を30年以上で定めます。
期間を30年未満と定めていたり、期間の定めがない場合でも存続期間は30年となります。
用途に住居用・事業用の制限はありません。
存続期間が満了しても建物がある場合、合意・法定更新により同一条件(期間を除く)で契約が更新されます。
なお、借地上の登記された建物が減失した場合、減失した日などを提示(土地上に)していれば、2年間は第三者に対抗できます。
存続期間満了による更新
- 借地上に建物がある場合、借地権者の請求があれば契約は更新される。
- 最初の更新後は20年以上、2回目の更新後は10年以上で設定する。
- 借地権設定者が契約更新を拒絶するには正当な事由が必要。
- 契約が更新されない場合、借地権者は借地権設定者に対して、建物を時価で買い取るように請求できる(建物買取請求権)。
定期借地権
「定期借地権」は、契約の更新がない借地権です。
定期借地権
- 一般定期借地権
- 事業用定期借地権
- 建物譲渡特約付借地権
定期借地権は、契約の存続期間が終了したら、借地権者は必ず土地を返還しなくてはなりません。
普通借地権・定期借地権
借家権
建物を借りる権利を「借家権」といいます。
「普通借家権」「定期借家権」の2つがあります。
普通借家権
普通借家権の存続期間(契約期間)は、1年以上で定めます。
なお、存続期間を1年未満とした場合は、「期間の定めのない契約」とみなされます。
賃貸人(貸主)が契約の更新を拒絶する場合は、正当な事由が必要です。
定期借家権
「定期借家権」は、契約の更新がない借家契約です。
契約時には、「契約の更新がなく期間満了により契約が終了する旨」を、書面を交付して説明する必要があります。
普通借家権・定期借家権
借家権 | 普通借家権 | 定期借家権 |
契約期間 | 1年以上 | 契約で決めた期間 |
契約の更新 | ・更新拒絶がなければ更新 ・賃貸人が拒絶するには正当な事由が必要 | 更新なし |
契約方法 | 制限なし | 書面 |
契約の終了 | ・賃貸人は正当な事由があれば6か月後 ・賃借人は申し出から3か月後 | ・契約期間が1年以上の場合 賃貸人は1年前~6か月前に 契約終了を通知 (正当な事由は不要) ・中途解約なし (転勤等やむを得ない事情は例外) |
造作買取請求権
賃借人は賃貸人の同意を得て取り付けた造作物(エアコンなど)について、契約終了時に買取を請求できます。
ただし、賃貸人は、「造作買取請求権」を排除させる旨の特約を付けることも可能です。
賃料の増減額請求権
賃料が不平等になった場合、賃料の増減を相手方に請求できます。
一定の期間、賃料を増額しない旨の特約は有効です。
現状回復義務
賃借人の通常の使用等によって生じた建物の消耗や経年劣化については、賃借人は原状回復義務を負いません。
区分所有法
「区分所有法」は、区分所有建物(マンションなど)の使用や管理についての法律です。
区分所有建物ごとに決められている規約は、所有者だけでなく、占有者(賃借人)も守らなければなりません。
区分所有権
区分所有建物には、所有者が専用で使用できる「専有部分」と、他の所有者と共同で使用する「共有部分」があります。
専有部分を所有できる権利を「区分所有権」といいます。
- マンションの一室(101号など)
- 法定共有部分=廊下・階段・バルコニー
- 規約共有部分=管理人室・集会所
敷地利用権
専有部分を所有するための敷地に関する権利を、敷地利用権といいます。
他の区分所有者との共有です。
専有部分と敷地利用権は、分離して処分できません。
管理組合
区分所有者は、建物・施設の管理を行うための「管理組合」を構成します。
区分所有者全員が組合員になり、任意で脱退できません。
なお、旧所有者に組合費の滞納がある場合、新所有者への請求が可能です。
規約
区分所有建物の管理に関するルールを、「規約」といいます。
管理者は、規約の変更などを決めるために、毎年1回は集会を招集しなければなりません。
召集の通知は、集会日の1週間前には発しなければなりません。
ただし、建替え決議の集会の通知は2か月前となります。
集会では、区分所有者数と議決権(専有部分の持分比率)で決議します。
集会の決議
決議内容 | 必要な賛成数 |
一般的な事項 | 区分所有者と議決権の各過半数 |
規約の設定・変更・禁止 | 区分所有者と議決権の各3/4以上 |
建替え | 区分所有者と議決権の各4/5以上 |
都市計画法
「都市計画法」とは、都市計画区域を指定して住みよい街を作るための法律です。
都市計画区域は、「市街化区域」・「市街化調整区域」と非線引区域に分けられます。
用途地域の定め
市街化区域には、13種類の用途地域(住居系8・商業系2・工業系3)が定められています。
市街化調整区域には用途地域の定めはありません。
市街化調整区域は、市街化を抑制するための地域だからです。
都市計画区域
- すでに市街化になっている区域
- おおむね10年以内に優先的・計画的に市街化を予定している区域
- 用途地域を定める
- 市街化を抑制すべき区域
- 用途地域を定めない
- そのまま放置すれば将来の街作りに支障がでる恐れがある区域
- 市街化区域・市街化調整区域の区分をしていない区域
都市計画区域は都道府県が指定しますが、2つ以上の都府県にまたがる場合は、国土交通大臣が指定します。
開発許可制度
「開発行為」を行う場合、都道府県知事の許可が必要ですが、規模等によっては不要な場合もあります。
また、「市街地再開発事業」「土地区画整理事業」も許可は不要です。
開発許可が必要な規模
- 三大都市圏は500㎡以上もあり
- 農林漁業用建築物・農林漁業従事者の居住用建物は開発許可が不要
建築基準法
建物を建築する際の、最低限度の基準を定めた法律が「建築基準法」です。
用途制限
建築基準法では、用途地域ごとに、建築できるものとできないものを具体的に定めています。
用途制限
道路に関する制限
建築基準法上の道路は、幅員4m以上の道路です。
4m未満の道は2項道路(建築基準上の道路)といいます。
道路も建築基準法と関係するのね。
安全性や防災のためだモン。
建物の敷地は、道路(幅員4m以上)と2m以上接していなくてはなりません(接道義務)。
接道義務
幅員が4m未満の2項道路は、道路の中心線から2m手前に下がった線を道路との境界線とみなします(セットバック)。
セットバック部分は道路とみなされます。
セットバック部分には建築できず、建蔽率・容積率の計算では敷地面積に算入できません。
セットバックA
セットバックB
建蔽率
敷地面積に対する建築面積を「建蔽率」といいます。
建蔽率
敷地面積と建築面積
指定建蔽率の緩和措置
特定の場所は、指定建蔽率が緩和されます。
建蔽率の上限が80%以外の地域で ・防火地域内に耐火建築物を建築 ・準防火地域内に耐火建築物・準耐火建築物を建築 | +10% |
特定行政庁(市長・町長)が指定する角地 | +10% |
上記の両方に該当 | +20% |
建蔽率上限80%の防火地域に耐火建築物を建築 | 制限なし 建蔽率100% |
防火地域
容積率
敷地面積に対する、延べ面積の割合を「容積率」といいます。
容積率
容積率は、用途地域ごとに上限が決められています(指定容積率)。
駐車場・駐輪場の面積は、1/5を限度にして延べ面積から除外できます。
延べ面積
前面道路の幅員による容積率の制限
前面道路の幅員が12m未満の場合、以下の低い方が容積率になります。
- 指定容積率
- 前面道路の幅員×法定乗数
前面道路が2つ以上ある場合は、広い方が前面道路です。
法定乗数
建築物の高さ制限
「第一種低層住居専用」「第二種低層住居専用」「田園住居」には、10mまたは12mの高さ制限がある
住宅の日照を確保するための規制で、「商業」「工業」「工業専用」以外で高さが規制されている
住宅地の日当たりの確保を目的にしていて、「4つの住居専用地域」「田園住居」で規制されている
隣地との空間確保を目的にしていて、「低層の住居地域」以外で規制されている
道路と上空との空間確保を目的にしていて、すべての地域で規制されている
高さ制限
防火規制
「防火地域」「準防火地域」では、建築物を「耐火建築物」や「準耐火建築物」にしなければなりません。
建築物が異なる地域にまたがっている場合は、厳しい方の規制が適用されます。
規制が異なる地域にまたがる場合
- 【用途制限】敷地面積の広い方の規制が適用される→過半主義
- 【建蔽率・容積率】加重平均して求めた率が適用される→加重平均
- 【防火規制】厳しい方の規制が適用される
農地法
「農地法」とは、農地や農業従事者を保護するために、農地の売買・転用を規制するための法律です。
農地かどうかを判断するためには、地目(登記上)ではなく現況で判断します。
第3条 | 権利の移動の制限 | 農地→農地 |
第4条 | 転用の制限 | 農地→宅地 |
第5条 | 転用目的での権利の移動の制限 | 農地→宅地 (権利) |
農地法
国土利用計画法
「国土利用計画法」は、総合的・計画的に土地を利用するための法律です。
土地取引を行う場合には、届出制と許可制があります。
買主・売主ともに契約締結前に都道府県知事の許可を受ける
買主・売主ともに契約締結前に都道府県知事に届出する
買主が契約締結後2週間以内に都道府県知事に届出する
それではまた次回。
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