FP2級|相続・事業承継~合格への道#3

FP2級|相続・事業承継への道#3
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クマ美

クマ美は、3級ファイナンシャル・プランナー技能士なの。

くまケン

次は、2級ファイナンシャル・プランナー技能士を目指すんだモン。

どのくらいならば贈与税がかからないのか?

贈与税の基礎控除額は?

贈与税をしっかりと学んで、後の世代へ賢く財産を残しましょう。

本ブログでは、相続・事業承継の「贈与税」について要約しています。

2級FP技能士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。

ほんのわずかでも、2級FP技能士を受験される方の手助けになれたら幸いです。

記事を書いた人
  • 九州を拠点に自動車販売店を経営
  • 2015年より金融系ブログ作成
  • ほったらかし投資が座右の銘

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目次

贈与税の基本

勉強している子

贈与は贈与者(個人)と受贈者(個人)の合意で成立して、書面でも口頭でも有効です。

口頭での契約は、当事者間で解除(贈与済み除く)できますが、書面の場合は贈与者が一方的に解約できません。

クマ美

法人からの贈与には贈与税はかからないわ。

くまケン

ただし、所得税がかかるモン。

贈与の形態には、通常の贈与のほかに「定期贈与」「負担付贈与」「死因贈与」があります。

贈与内容
定期贈与・定期的に一定の贈与
・どちらか一方の死亡で契約終了
贈与税
負担付贈与・贈与に合わせて受贈者に一定の負担を求める
・受贈者が契約を履行しない場合、贈与者は契約を解除できる
・贈与者は契約不適合責任を負う
贈与税
死因贈与・贈与者の死亡を条件に、生前に交わした契約
・受贈者が先に死亡した場合、効力は生じない
相続税

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贈与税の計算

計算

贈与税は暦年課税で、1月1日から12月31日の1年間に贈与された財産の合計額をもとに計算します。

贈与税の計算

贈与税の計算
贈与税の計算

【本来の贈与財産】贈与によって取得した財産
  • 土地・建物・株式・預貯金など

【みなし贈与財産】贈与財産とみなされる財産
  • 生命保険金など
    ・契約者・被保険者・受取人すべて異なる死亡保険金
    ・契約者・受取人が異なる満期保険金
  • 負担付贈与(贈与と共に負債も渡された場合、時価と債務の差額)
    ・株式・土地建物(債務と取引価格の差額)
    ・その他の財産(債務と相続税評価額の差額)
  • 低額譲受(著しく低価で財産を譲受した場合、時価と支払額との差額)
    ・株式・土地建物(譲受価格と通常取引価格の差額)
    ・その他の財産(譲受価格と相続税評価額の差額)
  • 定期金の権利(契約者・受取人が異なる個人年金保険・収入保障保険)
  • 債務免除(借金の免除・肩代わりをしてもらった価格)
    ・債務が弁済不能な場合、弁済困難な部分の金額は贈与としてみなされない

【贈与財産から差し引かれるもの】
  • 非課税財産(贈与税の課税対象にならない財産)
    ・法人から贈与された財産
    ・扶養義務者から受けとった必要範囲内の生活費・教育費
    ・離婚による財産分与で、社会通念上、相当な範囲
    ・常識的な範囲内の祝い金・香典など

贈与税の基礎控除と税率

贈与税には、年間110万円の基礎控除(合計金額)があり、「一般税率」と「特別税率」があります。

特別税率は、直系尊属(祖父母や父母)からの贈与に適用されます。

贈与税額=(課税価格ー110万円)×税率ー控除額

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贈与税の特例

特例

贈与税には特例があり、各種控除や非課税が行われます。

贈与税の特例

  • 贈与税の配偶者控除
  • 相続時精算課税制度
  • 直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税制度
  • 教育資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税制度
  • 結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税制度

贈与税の配偶者控除

婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用財産or取得の為の金銭が贈与された場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで配偶者控除を受けられます。

同じ配偶者の間では一生に1回のみです。

贈与税額=(課税価格ー2,000万円ー110万円)×税率ー控除額

贈与税の配偶者控除

贈与税の配偶者控除
贈与税の配偶者控除

条件

  • 贈与を受けた年の、翌年3月15日(贈与税の納付期限)までに受贈者が住んでいて、その後も住み続ける見込み
  • 控除によって贈与額が0円になっても確定申告が必要

相続時精算課税制度

60歳以上の父母・祖父母から、18歳以上の子・孫へ財産を贈与した場合、合計2,500万円まで贈与税がかかりません。

年齢は贈与した年の1月1日時点になります。

相続時精算課税制度を利用した場合、贈与者が亡くなったときの相続税に、相続時精算課税(贈与時の時価)の価額を加算します。

贈与税額=(課税価格ー2,500万円)×0.2

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度
相続時精算課税制度

贈与財産の種類・数・回数に制限はありませんが、贈与財産が合計2,500万円を超える部分には20%の贈与税がかかります。

条件

  • 受贈者(子・孫)は、最初に受贈した年の翌年2月1日から3月15日までに、「相続税精算課税選択届出書」を提出
  • 受贈者は贈与者ごとに、暦年課税or相続税精算時課税制度を選べる
  • 相続税精算時課税制度を選択すると、暦年課税に変更できない

暦年課税と相続時精算課税制度

暦年課税と相続時精算課税制度
暦年課税と相続時精算課税制度

直系尊属からの住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税制度

18歳以上の人が、直系尊属から住宅取得のために資金を贈与された場合、一定額が非課税になります(2023年12月31日迄)。

年齢は、贈与年の1月1日時点です。

対象者18歳以上の子・孫(合計所得2,000万円以下
内容居住用の住宅を新築・取得・増改築
非課税額1,000万円(省エネ住宅) 500万円(それ以外)

住宅取得資金の贈与

住宅取得資金の贈与
住宅取得資金の贈与

条件

  • 子・孫の合計所得1,000万円~2,000万円=住宅の床面積50㎡~240㎡
  • 子・孫の合計所得1,000万円以下=住宅の床面積40㎡~240㎡
  • 取得した土地の1/2が居住用
  • 受贈者1人に1回
  • 「暦年課税」「相続税精算時課税」との併用可能

教育資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税制度

30歳未満の人が、直系相続から教育資金を贈与された場合、一定額が非課税になります(2026年3月31日迄)。

教育資金を贈与後、贈与者が死亡した場合は、残額は相続財産に加算されます。

教育資金の一括贈与

教育資金の一括贈与
教育資金の一括贈与

対象者・直系尊属から贈与を受けた30歳未満の子・孫
合計所得金額が1,000万円以下
内容・入学金
・授業料
・習い事の月謝
・給食費など
非課税金額・1人につき上限1,500万円
・学校以外は500万円

結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税制度

18歳以上50歳未満の人が、結婚・子育て資金を直系尊属から一括贈与された場合、一定額が非課税になります(2025年3月31日迄)。

結婚・子育て資金を贈与後、贈与者が死亡した場合は、残額は相続財産に加算されます。

結婚・子育て資金の一括贈与

結婚・子育て資金の一括贈与
結婚・子育て資金の一括贈与
対象者・直系尊属から贈与を受けた18歳以上50歳未満
・合計所得金額が1,000万円以下
内容・挙式費用
・新居費用
・不妊治療
・保育料など
非課税金額・上限1,000万円
結婚費用300万円

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贈与税の申告と納付

税金

1月1日から12月31日の1年間に、贈与された合計額が基礎控除110万円以下の場合は申告不用です。

以下の特例を受ける場合は、納付税額が0円でも申告が必要になります。

  • 贈与税の配偶者控除(2,000万円)
  • 直系尊属からの住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税制度(1,000万円)
  • 相続税精算時課税制度(2,500万円)

贈与税の申告書は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者の所轄税務署長に提出します。

確定申告

確定申告
確定申告

贈与税は、金銭による一括納付です。

ただし、以下の場合は5年以内の延納が認められています。

  • 贈与税の納付額が10万円を超えている
  • 金銭一括納付が難しい
  • 申告期限までに延納申請書を提出する
  • 原則、担保を提供する(3年未満・100万円以下は不要

クマ美

贈与税には物納はないのね。

くまケン

相続税には物納があるんだモン。

それではまた次回

大きいくまケン
くまケン

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この記事を書いた人

日々の相場の動きに動じない、「ほったらかし投資」についていろいろと語ってみました。
「ほったらかし投資」は、こころとからだにやさしい投資スタイルです。
今まで金融投資には興味が無かった方が、少しでも金融投資の世界に興味を持っていただけるとうれしいです。宮崎県出身 鹿児島大学法文学部卒 

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