今回は相続について学ぶのね。
計算が必要な分野だモン。
本ブログでは、宅建士の試験科目「相続」について要約しています。
宅地建物取引士を目指している方に向けて、下記の書籍を参考にして作成しました。
ほんのわずかでも、宅地建物取引士を受験される方の手助けになれたら幸いです。
- 九州を拠点に自動車販売店を経営
- 2015年より金融系ブログ作成
- ほったらかし投資が座右の銘
相続
相続とは、亡くなった人の権利や義務を引き継ぐことです。
ただし相続は、プラスだけではなくマイナスも相続します。
相続人
配偶者は常に相続人になります。
「配偶者+誰か」が、相続人になるのです。
子がいれば子、子がいなければ直系尊属(親など)、子も直系尊属もいなければ兄弟姉妹が相続人になります。
- 第一順位 配偶者+子
- 第二順位 配偶者+直系尊属
- 第三順位 配偶者+兄弟姉妹
配偶者がいない場合は、子のみ→直系尊属のみ→兄弟姉妹のみとなります。
子に区別はありません。
- 嫡出子
- 非嫡出子
- 養子
- 胎児
相続分
法定相続分
第一順位 | 配偶者1/2 | 子1/2 |
第二順位 | 配偶者2/3 | 直系尊属1/3 |
第三順位 | 配偶者3/4 | 兄弟姉妹1/4 |
元配偶者・内縁は、配偶者として扱われません。
クマ美は妻だわ。
くまケンは夫だモン。
相続の承認・放棄
相続人には3つの選択肢があります。
財産も借金も両方とも相続する
財産の分を限度に借金を引き継ぐ
はじめから相続人ではなかったことになる
限定承認は、相続人全員共同でしなければなりませんが、相続放棄は単独でできます(家裁に申述)。
また、自分が相続人だと知ったときから3か月以内に決定しなかった場合には、単純承認したものとみなされます。
知ったときからね。
開始時ではないんだモン。
代襲相続
「代襲相続」とは、相続人になれる人が「死亡・欠格(けっかく)・廃除(はいじょ)」によって相続できない場合に、代わりに子が相続人になることです。
なお、相続放棄した場合には代襲相続できません。
代襲相続
遺言
日常では、「ゆいごん」といいますが、法律の世界では「いごん」といいます。
遺言とは
法定相続分は、「遺言」なしに被相続人が亡くなったときのものです(もめないように)。
被相続人が遺言を残していれば、遺言が優先されます。
遺言は、満15歳以上であれば有効にできます。
- 全文を自分で手書きし、日付と名前を記入して押印
- 財産目録はPC作成可能・ページごとに署名・押印
- 法務局の補完制度を利用すれば検認不要
- 証人不要
- 口述したものを公証人が筆記
- 原本は公証役場に保管される
- 実印が必要
- 検認不要
- 証人2人以上
- 遺言書の内容を知られたくない場合に使用
- 署名・押印して封印
- 公証人が日付等を記入
- 遺言の存在を証明してもらう
- パソコン作成・代筆可能
- 検認必要
- 証人2人以上
家裁の検認がなくても遺言書は無効になりません。
遺言の特徴
遺言は1通につき1人であり、2人以上の人が同じ証書で遺言できません。
また、遺言はいつでも撤回できます。
遺留分
当然もらえると思っていた遺産をもらえないと、いろいろと不都合があります。
遺留分とは
相続人の生活保障などの観点から、遺言によっても侵害されない一定額(遺留分)を定めています。
しかし、遺留分を侵害する遺言も有効(遺留分を無くす遺言)です。
その場合、遺留分侵害額に相当する金銭を請求することになります(遺留分侵害額の請求)。
なお、遺留分侵害額の請求は、意思表示のみで可能です。
遺留分の割合
遺留分は被相続人の1/2です(直系尊属人のみであれば1/3)。
たとえば、配偶者1人・子1人の場合は、配偶者1/4・1/4となります。
なお、兄弟姉妹に遺留分はありません。
遺留分の放棄
遺留分は放棄できます。
ただし、相続の放棄は相続開始前にはできませんが、遺留分の放棄は相続開始前にできます。
- 遺留分の放棄=相続開始前にできる
- 相続の放棄=相続開始前にできない
また、遺留分の放棄をしても相続権は失いません。
遺留分の放棄と相続権の放棄はまったくの別物です。
配偶者居住権
配偶者居住権は、残された配偶者の生活を守るための制度です。
配偶者居住権
夫婦の一方が亡くなった後、残された配偶者は、所有権を相続しなくても終身住み続けられる権利を「配偶者居住権」といいます。
権利は譲渡できず、配偶者が亡くなれば消滅します。
なお、相続税はかかりません。
所有者の承諾を得れば、賃貸して賃料をもらえます。
条件
- 被相続人の属した建物に相続開始時に居住していたこと
- 配偶者居住権を遺産分割か遺贈によって取得したこと
配偶者短期居住権
相続や遺贈で家が他の人に相続されても、被相続人と同居していた配偶者は、一定期間(建物の帰属が決定した日or相続開始時から6か月の遅い日)住み続けられます。
配偶者居住権 | 配偶者短期居住権 | |
金銭負担 | 無償 | 無償 |
範囲 | 居住建物全部 | 居住建物全部or一部 |
期間 | 原則終身 | 一定期間 |
権利 | 使用・収益(所有者の同意が必要) | 使用 |
対抗要件 | 登記 | 対抗できない |
それではまた次回。
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