司法書士試験に必須の不動産登記法の暗記項目を、わかりやすくまとめてみました。
お役に立てれば幸いです。
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あ行
異時配当
- 共同抵当権の目的となっている不動産の1つの不動産が競売され、その不動産についてのみ配当されること(同時配当だったら配当を受けられたのに~by後順位抵当権者)
- 後順位抵当権者は、先順位の共同抵当権の抵当権者(競売されなかった不動産)に代位できる
遺贈
- 遺贈は、相続人に対するもの以外、共同申請となる
- 相続人が「受遺者」であり、かつ「遺言執行者」が存在する場合、不動産の遺贈による所有権移転登記は受遺者(相続人)が単独申請できる
一部抹消登記
登記の一部が誤っている場合に、その誤った部分を取り除く登記(更正登記)移転登記
オンライン申請
- オンラインで申請した場合、補正もオンラインで、取下げもオンラインでする
- オンライン申請をした申請人は、申請書および添付書面の受領証の交付を請求することができない(商業登記は可能)
か行
買戻権
買戻権の移転の登記は、売買による所有権移転登記と同時にする必要があり、所有権移転登記申請と同一番号で受け付け、その付記登記で行う
買戻権を行使した場合、買戻権の登記の抹消は職権でなされる
確定前根抵当権と確定後根抵当権(認められること)
| 確定前根抵当権(枠の話し) | 確定後根抵当権(債権の話し) |
| 根抵当権の全部譲渡 一部譲渡 分割譲渡 譲渡を原因とする共有者の権利の移転 (他の共有者の根抵当権を他人に譲渡) | 被担保債権の債権譲渡 代位弁済による根抵当権の移転 |
| 債権の範囲の変更 債務者の変更 | 債務者の変更(債務引受) 債権者または債務者の変更(更改) |
| 確定期日の新設・変更 (繰下げ・繰上げ・廃止) | 根抵当権の譲渡・放棄・順位の譲渡・順位の放棄 |
| 優先の定め (登記は確定後でもできる) | 弁済を原因とする根抵当権の消滅 |
| 減額請求による極度額の減額 (債権額+2年分の利息等) 根抵当権の消滅請求による根抵当権の消滅 (物上保証人等が極度額のみ弁済) | |
| いずれでも認められること |
| 放棄を原因とする共有者の権利の移転 |
| 転抵当・転根抵当・順位変更・債権質入れ |
| 抵当権から順位の譲渡・順位の放棄を受けること |
| 極度額の変更 |
| 相続・合併・会社分割を原因とする根抵当権の移転・債務者の変更 |
| 放棄・解除を原因とする根抵当権の消滅 |
- 抵当権から順位の譲渡・順位の放棄を受けること
★抵当権者の債権額は決まっている
★根抵当権者の極度額も決まっている
【順位を譲ってもらったとしても、優先的に配当を持っていく金額の合計枠が登記されている額を超えて拡大するわけではない】
元本確定
元本確定は、根抵当権者と根抵当権設定者の合意や、一定の事由が発生することで決まる
- 根抵当権者が、抵当不動産につき競売又は物上代位による差押えを申立てたとき (現実に競売手続の開始又は差押えがあったときに限られる)
- 国・公共団体が、抵当不動産に対し滞納処分による差押えをしたとき
- 根抵当権者が、第三者による抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えのあったことを知ったときから、2週間を経過したとき
- 債務者又は根抵当権設定者が、破産手続開始の決定を受けたとき
元本が確定した時に存在する元本債権および利息、損害金とその後にその元本債権から発生する利息、損害金が極度額を限度として担保される
極度額
- 確定前でも確定後でも、極度額の変更は可能
★根抵当権者と設定者の合意(効力発生要件)
★利害関係人の承諾(効力発生要件) - 設定者は、現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息・損害金を加えた額に減額することを請求できる
★設定者の一方的な意思表示により効果が生じる形成権
★元本確定後のみ(新たな債権は生じないから)
共同申請
- 被保全債権の債務者を登記義務者とする共同申請による登記を、代位申請することはできない
共同抵当権
- 1つの債権を担保するために、複数の不動産に抵当権を設定すること(当然に成立)
- 共同抵当権にするという意思は不要で、抵当権の設定契約書にも共同抵当権である旨を記載する必要もない
工場財団
- 所有権保存登記をして抵当権を設定する
- 所有権保存登記後、6か月以内に抵当権設定の登記がなされないときは、所有権保存登記は失効する
- 抵当権の登記が全部抹消された後、6か月以内に新たな抵当権の設定の登記を受けないときは、工場財団は消滅する
- 6か月の経過を待たずに工場財団を消滅させるときは、工場財団の消滅の登記を申請することができる(所有権の登記名義人の単独申請)
更正登記
- 登記された権利の内容の一部が、実体と違う場合にされる(一部抹消登記のようなもの)
- 利害関係を有する第三者の承諾がある場合及び第三者がない場合、付記登記で実行される
- 承諾がなければ主登記で実行される(所有権の更正登記は必ず付記登記)
- 所有権の更正登記は実質的に所有権一部抹消であり、不動産登記法68条の登記の抹消における利害関係人の承諾と同じ意味あいがある
合同申請
- 申請情報には、登記権利者・登記義務者とは記載しない
- 共有物分割禁止=申請人(登記権利者兼登記義務者) A
B - 順位変更&優先の定め=申請人 A
B
| 合同申請でされる登記 | 申請人 |
| 共有物分割禁止の定めの登記 | 共有者全員 |
| 担保権の順位変更の登記 順位変更の更正の登記 順位変更の抹消の登記 | 担保権者(全員でない場合あり) |
| 根抵当権の共有者間の優先の定めの登記 優先の定めの変更の登記 優先の定めの抹消の登記 | 根抵当権の共有者全員 |
さ行
債務者変更の登記
- 抵当権の場合、登記義務者の印鑑証明書は要らない
- 根抵当権の場合、登記義務者の印鑑証明書が必要
債務名義
債権者の債務者に対して有する給付請求権の存在と範囲を公的に証明する文書
作成後3か月以内のもの(三振いいよ、次はこうしてこうだ、ほし)
- 申請情報・委任状に押印した実印についての印鑑証明書(所有権の登記名義人が登記義務者となる場合)
- 公務員が作成した資格を証する情報としての登記事項証明書(公文書)
- 公務員が作成した代理権限証明情報(公文書)
- 本人確認情報に添付する職印証明書
- 裁判所が作成する印鑑証明書には期間制限がない
- 遺産分割協議書に添付する相続人の印鑑証明書や、第三者の同意書・承諾書に添付する印鑑証明書には、不動産登記法上の3か月の期限制限はない
敷地権
建物の所有権と土地の共有持分権を、別々に売却できないように登記(土地と建物が一体となって登記されている)された権利形態
敷地権である旨の登記は、必ず主登記になる
- 敷地権が所有権の場合は甲区
- 敷地権が地上権・賃借権の場合は乙区
指定債務者
相続開始後に、相続人の中から根抵当権の債務を負担するように定められた者
債務者の死亡後6か月以内に「指定債務者の合意の登記」をしなければ、相続開始時に元本は確定する
終局登記
登記本来の効力である対抗力を、発生・変更または消滅させる登記
本登記ともいう
収用
- 収用により所有権を取得した起業者は、収用を登記原因として所有権の移転の登記を単独申請できる
主登記
主登記の内容を変更するために行う登記
登記は原則として、主登記でされる
- 抹消登記
- 破産法による否認の登記
- 所有権移転の登記
- 所有権を目的とする処分の制限の登記
- 敷地権である旨の登記
- 権利の抹消回復登記
- 先取特権の保存の登記
- 自己信託(委託者=受託者)をした場合の信託財産となった旨の登記
- 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記
- 根抵当権の分割譲渡の登記
- 抵当権の順位変更の登記
- 所有権が工場財団に属した旨の登記
順位変更の登記
- 主登記で登記される
- 登記識別情報は通知されない(変更・更正・抹消)
- 登記原因及びその日付は、合意と利害関係人の承諾が揃った日
- 合同申請
純粋共同根抵当権
- 純粋共同根抵当権において、元本が確定した後の追加設定はできない
- 純粋共同根抵当権の被担保債権は同じになるため、追加設定の登記をする根抵当権も特定債権となる
(設定時から特定債権のみを被担保債権とする根抵当権はダメ)
承継執行文
承継執行文による所有権移転登記申請の可否
- 権利者側に一般承継が生じた場合=一般承継人による申請によってすれば足りるので否
- 権利者側に特定承継が生じた場合=債権者代位によってすれば足りるので否
- 義務者側に一般承継が生じて移転登記を済ませている場合=承継執行文が付与できるので可
- 義務者側に特定承継が生じて移転登記を済ませている場合=対抗できないの否
承諾証明情報
- 必要的承諾型(登記上の利害関係人の承諾書を添付しないと、登記申請が却下される場合)
- 任意的承諾型(登記上の利害関係人がいる場合で、承諾書を添付しないときは主登記、添付するときは付記登記で実行される場合)
職権
登記官が自ら開始するもの
- 表示に関する登記
- 管轄違いの登記の抹消
- 登記事項以外の事項の登記を目的とする登記がされている場合の抹消
- 権利に関する登記に錯誤又は遺漏がある場合の更正
申請・嘱託による登記に付随してなすもの
- 買戻による権利取得の登記をなした場合の、買戻特約の登記の抹消
- 権利消滅の定めにより登記を抹消した場合の、権利消滅の定めの付記登記の抹消
- 表題部所有者の表示の抹消
- 未登記不動産などの処分制限の登記の際になされる所有権の保存登記
- 所有権の仮登記の本登記に伴う利害関係人の登記の抹消
- 収用による所有権移転登記に伴う抹消
- 要役地の登記
- 不動産新築工事の先取特権の甲区への記載
- 登記を抹消する場合の利害関係人の登記の抹消
- 分割譲渡による原根抵当権の極度額減額
- 仮処分に後れる登記を抹消したときの仮処分の登記の抹消
- 保全仮登記に基づく本登記をなしたときの、保全仮登記とともにした処分禁止の登記の抹消
処分制限登記
- 所有権やその他の処分権能が制限されていることを公示する登記で、差押えや仮差押えなど
所有権
- 所有権の更正登記は権利の一部抹消の実質を有するので、登記上の利害関係人がいる場合、第三者の承諾がある場合に限り申請することができる(必ず付記登記)。
- 所有権の移転の登記の抹消を申請する場合には、その所有権を目的として登記された抵当権の登記名義人の承諾を証する情報を提供しなければならない
- 所有権を目的とする抵当権の設定の登記請求権を保全するための処分禁止の登記は、主登記で実行する
- 所有権以外の権利の移転は付記登記
- 所有権に対して権利消滅の定めがある抹消登記は、共同申請による
- 所有権移転の登記は単に所有権移転とだけ記入する(何番の権利を指すかが明白なため、番号の記載は不要)
- 所有権の抹消・変更・更正登記は、その権利の最初の登記(所有権保存や所有権移転)が記録されている順位番号(〇番)を明記して結びつける
所有権保存登記
- 所有権保存登記を申請する場合(敷地権付区分建物について、74条2項により所有権保存登記を申請する場合を除く)、登記原因証明情報の提供を要しない
- 所有権保存登記の抹消は、所有権の登記名義人が単独で申請することができる
- 登記原因は記載しない
真正な登記名義の回復
- 現在の誤った登記名義人と真実の所有者間でのみ行える手続き
- 誤った名義人から直接真の所有者へ移転登記する
- 利点: 登記上の利害関係人(抵当権者など)の承諾を得ずに手続き可能
- 難点: 実体と異なる登記原因をあえて残すため、不動産登記法上、申請には厳格な原因証明情報が必要
- 抹消登記ができない場合: 無効な登記を抹消しようとすると、その後に設定された抵当権者(金融機関など)の承諾が必要になるが、承諾が得られない場合にこの手法が使われる
- 前の所有者の協力が得られない場合: 登記を正しい状態に戻すため、現在の名義人から真の権利者へ「所有権移転」の形をとる
信託財産
- 委託者から信託銀行などの受託者に信託された財産
- 所有権を自己信託の対象とした場合における所有権が信託財産となった旨の権利の変更の登記は、主登記で行う
時効
- 農地を時効取得する場合、所有権の取得自体が「原始取得」とみなされるため、農地法の許可は不要
★登記申請時に農地法の許可書を添付する必要もない
★ただし、取得後には遅滞なく農業委員会へ届出を行う義務がある
順位変更の登記
- 順位変更の効果は順位を絶対的に変更すること
相続登記
- 相続登記がされた後に、相続放棄があった場合は相続登記の更正の登記を申請する
- 第一順位の相続人が全員相続放棄をした結果、第二順位の相続人が相続することになったときは更正登記ではなく、抹消登記を申請する(共同申請)
相続分の譲渡
- 相続人の地位自体を譲渡すること
- 遺産分割協議前に行う
- 第三者にも譲渡できる
た行
単独申請
- 登記義務者が存在しない場合→新築建物の最初の所有権保存登記など
- 相手方の協力が期待できない場合→確定判決による登記(相手方に代わって単独で申請できる)、仮登記権利者による仮登記の申請
- 権利変動に争いがない場合→相続、会社の合併などの包括承継
- 単独でも真正性が明らかな場合→登記名義人の氏名・住所変更登記
- 法改正による特例→遺贈(相続人への遺贈)や、相続登記義務化に伴う相続人申告など
- 本来は共同申請・合同申請による登記の場合は、単独申請のときでも、申請していない者も申請人欄に記載する
| 単独申請でされる登記 | 申請人 |
| 所有権の保存の登記 | 不動産登記法74条の申請適格者 |
| 収用による所有権の移転の登記 | 起業者 |
| 相続による権利の移転の登記 | 相続人 |
| 遺贈による所有権の移転の登記(相続人に対する遺贈) | 遺贈を受けた相続人 |
| 法定相続分による相続登記後の遺産分割による 所有権の移転の登記 | 遺産分割で法定相続分を超えて所有権を取得した 相続人 |
| 特別縁故者への移転の登記 | 特別縁故者 |
| 合併による権利の移転の登記 | 存続会社・設立会社 |
| 遺産分割、相続放棄、特定財産承継遺言、または 相続人が受遺者である遺贈があったためにする 法定相続分による相続登記の所有権の更正の登記 | 遺産分割などで法定相続分を超えて 所有権を取得した相続人 |
| 所有権の保存の登記の抹消の登記 | 所有権の保存の登記の登記名義人 |
| 抵当証券が発行されている場合における、抵当権の債務者の氏名・住所の変更の登記または更正の登記 | 債務者 |
| 機械器具目録の変更の登記 | 所有者 |
| 工場財団目録の変更の登記 | 所有者 |
| 工場財団の消滅の登記 | 所有者 |
- 不動産登記法において、相続を理由に単独申請が認められるのは「登記名義人(所有権や抵当権などの権利を持っている人)」が死亡し、その権利が相続人に移転する場合
- 根抵当権の「債務者」は、お金を借りている人として登記簿に記録されているだけで、不動産に対する権利を持つ登記名義人ではない
そのため、「権利の移転」ではなく「根抵当権の内容の変更」という扱いになり、単独申請の例外規定が適用されない
賃借権
- 抵当権は、賃借権を目的として設定できない
- 質権は、「賃借権の譲渡・賃借物の転貸ができる旨の特約のある賃借権」を目的として設定できる
- 「賃借権の譲渡・賃借物の転貸ができない賃借権(普通の賃借権)」に質権を設定する場合は、承諾証明情報が必要
抵当権の移転の登記
- 抵当権移転登記は、金融機関の合併や債権譲渡により抵当権者が変わった際に、第三者に対抗するために必要な不動産登記
- 被担保債権(ローンなど)とともに抵当権も移転し、旧抵当権者が「義務者」、新抵当権者が「権利者」となり共同で申請する
転抵当権
- 転抵当権者が抵当権を実行するには、転抵当権の弁済期と、抵当権の弁済期が両方とも到来していなければならない
- どちらか一方の弁済期が来ていない場合は、実行することができない
- 転抵当権の債権が期日に弁済されない場合、転抵当権者は原抵当権の目的である不動産について競売等の実行を行うことができる
- 転抵当は抵当権者と転抵当権者の間で決めることができるが、抵当権設定者への通知または承諾がなかった場合は、債務者やその保証人などに対抗することができない
- 転抵当権の被担保債権の弁済期は、原抵当権より前であっても後であっても構わない
代理権限証明情報
- 申請人から司法書士まで「つなげること」を意識する
代位登記
- 債権者が債務者に代わって申請する登記
- 一筆の土地の一部分を購入した場合、その土地の所有者に代わって土地の分筆登記を代位申請することができる
地役権
- 地役権は要役地のための物権であり、要役地にくっ付いている物権
- 地役権者に登記識別情報は通知されない(地役権者が登記されないため、登記名義人となる者がいないため)
- 要役地の登記は、登記官の職権によってされる(所有権の保存登記が必要条件)
- 要役地の所有権が移転した場合、要役地については所有権の移転の登記をするが、承役地については何も登記しない
地上権
- 持分のみを目的として利用権(地上権)を設定することはできない
- 一筆の土地の一部について、地上権の設定契約は可能だが設定の登記はできない
賃借権
- 賃借権を先順位抵当権に優先させる旨の同意の登記は、主登記で行う
電子情報処理組織
- オンラインシステム
登記
- 登記申請には意思能力は必要だが、行為能力は必要ない
登記名義人
- 問題を解く際は、登記名義人に下線を引く
登記原因証明情報
- 登記義務者による「これ」に間違いない旨の説明
- 単独申請は公文書である必要がある
登記原因証明情報の提供を要しない場合
- 所有権の保存の登記を申請する場合(敷地権付区分建物について74条2項により所有権保存登記を申請する場合を除く)
- 買戻しの特約に関する登記の抹消を申請する場合(10年経過後所有者が単独抹消)
- 混同を原因とする権利に関する登記の抹消を申請する場合(所有権と抵当権などの混同によって権利が消滅したことが登記記録上明らかな場合)
- 住所・氏名の変更・更正の登記(住民票コードを提供した場合)
- 処分禁止の仮処分の登記に後れる登記の抹消・更正の登記
登記識別情報
- 「損をするけど、いいですよ!」という意思確認をするために要求する
- 変更登記・抹消登記には、登記識別情報は通知されない
登記上の利害関係を有する第三者
- 基本的にその不動産の登記記録にない者は無視する
登記名義人表示変更(更生)登記
- 登記名義人の住所・氏名などが、実際と不一致がある場合にされる登記
同時申請
- 複数の申請書を同じタイミングで提出する方法(順序の依存関係はなく、受付番号が同じになる)
★買戻特約の登記
★不動産の売買の先取特権の保存の登記
同時配当
- 共同抵当権を実行して、目的物である不動産をすべて競売し、その代金によって弁済を受けること
- 債権者は、その不動産の競売価格の割合に応じて(按分)弁済を受ける
- 異時配当の場合でも、まずは同時配当がされた場合のそれぞれの配当額を求める
な行
根抵当権
| 根抵当権移転 | 根抵当権そのものの名義人を変更する | 根抵当権者の合併・会社分割、根抵当権の譲渡、相続 |
| 根抵当権変更 | 根抵当権の登記事項の内容を変更する | 極度額の増額・減額、債務者の変更、担保する債権の範囲の変更、存続期間の変更 |
- 必要的記載事項
★極度額
★債務の範囲
★債務者
★根抵当権者 - 利息・損害金は、極度額まで担保される
- 根抵当権者の相続による移転登記は、相続人の単独申請で行うことができる
- 根抵当権の相続では、権利の移転に加えて、元本の確定を防ぐための「指定根抵当権者の合意の登記」が必要になる
根抵当権者の会社分割
- 取引の継続が当たり前で、元本は確定しない
- 権利義務を承継させた分割会社は消滅しないので、法律上当然に一部移転の登記となる
- 元本の確定請求(設定者)は、合併を知った日から2週間以内・合併の日から1か月以内
根抵当権者の合併
- 取引の継続が当たり前で、元本は確定しない
- 元本の確定請求(設定者)は、合併を知った日から2週間以内・合併の日から1か月以内
根抵当権の共有者の権利の移転(譲渡)
- 元本確定前に限り、設定者の承諾と他の共有者の同意を得て行われる
- 持分を他の共有者に放棄する場合は、設定者や他共有者の承諾は不要
根抵当権の確定事由(企業間の取引停止)
| 確定事由 | 確定時期 | 備考 |
| 確定期日の到来 | 確定期日 | |
| 設定者からの確定請求 | 確定請求が到達した時から2週間が経過した日 | 確定期日の合意をしていないこと 設定日から3年経過している |
| 根抵当権者からの確定請求 | 確定請求が到達した日 | 確定期日の合意をしていないこと いつでも確定請求できる |
| 根抵当権者自身の申立てに基づく競売・担保不動産収益執行・物上代位による差押え | 申立てをした日 | 申立てを取り下げても、確定はひっくり返らない |
| 根抵当権者自身が滞納処分による差押えをした | 差押えがされた日 | 相続税が未払い 根抵当権者は財務省 |
| 第三者の申立てに基づく競売手続きの開始または第三者による滞納処分の差押え | 根抵当権者が、第三者の申立てに基づく競売手続の開始または第三者による滞納処分の差押えを知った日から2週間を経過した日 | 裁判所から手紙が届く |
| 債務者または設定者の破産手続き開始の決定 | 破産手続き開始の決定を受けた日 | |
| 根抵当権者または債務者に相続が開始した場合に、6か月以内に指定根抵当権者または指定債務者の合意の登記がされなかった | 相続が開始した日 | |
| 根抵当権者が合併または会社分割をした場合に、設定者から確定請求がされた | 合併または会社分割の効力が発生した日 | 知った日から2週間または1か月経過以内 |
| 債務者が合併または会社分割をした場合に、設定者から確定請求がされた | 合併または会社分割の効力が発生した日 | 知った日から2週間または1か月経過以内 |
確定期日
- 確定期日は定めても定めなくてもOKだが、定めた場合は定めた日から5年以内でなければならない
- 設定者からの確定請求は、根抵当権の設定から3年を経過している必要があり、意思表示が到達した日から2週間が経過した日に確定する
- 根抵当権者はいつでも確定請求できる
根抵当権者または設定者が複数いる場合の確定請求
- 基本的に「全員から」「全員に」
- 共同根抵当権の設定者が複数いる場合のみ、設定者のうち1人からすればOK(1つの不動産の根抵当権に確定事由が生じた場合、ほかの不動産の根抵当権も確定するから)
確定登記の要否の判断基準
- 根抵当権が設定された不動産の登記記録だけをみて、確定していることがわかるかが判断基準
★確定請求→登記されない(手紙のやり取りだから)
★差押え→登記される(物上代位による差押えは債権を差し押さえるので除く)
★破産手続開始の決定→自然人である設定者が破産した場合のみ登記される
申請人
- 元本確定登記は常に付記登記で登記される(確定登記には利害関係人がいないから)
- 元本確定登記は原則共同申請
★登記権利者:設定者
★登記義務者:根抵当権者 - 元本確定登記は原則共同申請の例外(設定者は夜逃げの可能性があるので単独申請できる)
★根抵当権者からの確定請求に基づく確定登記
★第三者の申立てに基づく競売手続の開始を根抵当権者が知った時から2週間を経過したことに基づく確定登記
★債務者・設定者の破産手続開始の決定に基づく確定登記
根抵当権の債権質入れ
- 根抵当権によって担保されている債権(特定の貸付金など)を、金融機関などへの借入の担保として提供する手続き
これにより、質権者は債権回収の際に根抵当権による優先弁済権も行使できるようになる - 登記の目的=1番根抵当権の債権質入れとして、以下の2点を登記事項とする
★質権者の質権設定者に対する債権の内容
★質入れされた根抵当権者の根抵当権設定者(債務者)に対する債権
(根抵当権者が質入れされた債権の不履行を理由に、根抵当権を実行できないことを公示する必要がある)
根抵当権の債務者の合併
- 取引の継続が当たり前で、元本は確定しない
- 元本の確定請求(設定者)は、合併を知った日から2週間以内・合併の日から1か月以内
- 債務者=設定者である場合は元本の確定請求ができない
(合併をしたのは設定者自身であるため、承継会社が債務者になることを想定してなかったとは言えない)
根抵当権の消滅請求
- 物上保証人等は、残債務の額が極度額を超えるときは、根抵当権者に対して、極度額に相当する金額を払い渡し・供託して、根抵当権の消滅請求をすることができる(根抵当権者の承諾は要らない形成権)
★競売しても物上保証人等の責任は極度額に限られるから
は行
配偶者居住権
- 配偶者居住権の抹消登記は、原則として所有者と配偶者の共同申請だが、配偶者の死亡を原因とする場合に限り、建物の所有者が単独申請できる
判決による登記
*判決に基づき登記を申請する場合、原則として判決正本には執行文の付与は要しない
*判決によって所有権移転の登記を申請する場合は、登記義務者の申請意思を担保するための登記識別情報・印鑑証明書の添付は必要ない
*農地法の許可を条件として登記手続を命ずる判決に基づいて登記を申請する場合には、許可証を提供しなくてもよい
(許可が到達した場合、書記官に提出し執行文の付与を受け、執行文付きの判決正本を申請情報と併せて提出するから)
63条1項の確定判決は、登記義務者の登記申請意思の表示に代わるものでなければならないため、登記義務者に登記申請手続きをすべき旨を命ずる給付判決
- 抵当権の順位の変更登記について、申請人の一部が登記申請に協力しないときは、他の申請人は確定給付判決を得て、順位変更登記を申請することができる
- 根抵当権設定者(権利者)が元本確定の登記手続きに協力しないときは、根抵当権者(義務者)は、元本確定の登記手続きを命ずる確定判決を得て、単独で元本の確定登記を申請することができる
判決による登記を行う場合、原則として執行文は不要
しかし以下の場合には執行文の付与が必要(執行文付与の時に意思表示をしたものとみなす)
- 債務者の意思表示が債権者の証すべき事実の到来にかかるとき
(例)農地法の許可を条件として所有権移転登記を命ずる旨の判決があった場合 - 債務者の意思表示が反対給付との引換えにかかるとき(条件成就)
(例)〇〇円の支払と引換えに、所有権移転登記手続をせよとの判決があった場合 - 債務者の意思表示が債務者の証明すべき事実のないことにかかるとき(条件成就)
(例)支払ったことを証明すべきところ、支払っていなければ当然に証明できないので、一定期間に証明ができないことをもって執行文が付与される - 債務名義に表示された当事者以外の者に債務名義の執行力が及ぶ場合
判決に準ずるもの(登記で使える)
| 文書 | 意味 | 注意点 |
| 和解調書 | 和解が裁判上でなされた場合に作成される文書起訴前和解(即決和解)を含む | |
| 認諾調書 | 被告が原告の請求を認めた場合に作成される文書 | |
| 調停調書 | 民事調停法に基づく調停が成立した場合に作成される文書 | |
| 家裁作成の審判書調停調書 | 家庭裁判所で行なわれた調停・審判で作成された文書 | |
| 仲裁判断 | 当事者が紛争についての判断を、中立の第三者である仲裁人に委ね、仲裁人が判断したときはそれに従うことを予め合意(仲裁合意)した上で進める紛争解決手段。仲裁合意を経ず紛争解決を試みる調停とは異なる | 執行力がないので、 執行判決が必要 |
| 外国判決 | 外国の裁判所で出された判決 | 執行力がないので、 執行判決が必要 |
判決に準じないもの(登記で使えない)
| 文書 | 意味 |
| 公正証書 | 公証人が作成した文書のこと |
| 転付命令 | 他人の財産を他人の財産のまま押えてしまう差押えと異なり、他人の財産を自分のものにしてしまう強制執行の方法 |
| 仮執行宣言 | 判決確定前であっても、仮に強制執行することができる旨の宣言。判決文に付記される。本来、意思表示を命ずる判決(登記手続を命ずるなど)には仮執行宣言は付けられないと解釈されている |
| 仮処分決定仮処分判決仮処分命令 | 判決が出るまでに時間を要するため、訴訟手続とは別に前もってする保全手続で裁判所が下した判断 |
| 家裁の保全処分 |
付記登記
付記登記の目的
- 主登記との同一性や関連性をわかりやすく公示するため
- 主登記と同一の順位を有することを公示するため
付記登記で登記がされるのは、
- 権利に関する既存の登記の変更・更生の登記をする場合
(例外:登記上の利害関係人の承諾がない場合は主登記) - 所有権以外の権利の移転登記
- 所有権以外の権利を目的とする登記
付記登記の例
- 権利の消滅に関する定めの登記
不登法66条
権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる(任意的承諾書)
任意的承諾書の意義
任意的承諾の場合、利害関係人の承諾書があれば付記登記で、承諾書がなければ主登記でされる
- 抵当権の債権額増額(利息の特別登記・利息の元本組入)→後順位担保権者
- 抵当権の債権額減額(一部弁済・免除・放棄)→転抵当権者
- 共有物分割禁止の定め→共有者
- 持分上の抵当権者の承諾書(不動産の持分を訂正する場合)→共有者
不登法68条
権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り申請することができる(必要的承諾書)
68条の承諾書は常に必要
- 所有権の更正登記(所有権の更正登記は必ず付記登記)
- 所有権の抹消登記(所有権の抹消登記は必ず付記登記)
不登法72条
抹消された登記の回復は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる(必要的承諾書)
不登法109条
- 所有権 に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる
不動産質権
- 必要的登記事項は、債権額・債務者の氏名住所(乙区の担保物権の必要的記載事項)
不動産番号
- 表題部の右上に記載される番号で、不動産の表示に代えて不動産番号を記載できる
物上保証人
- 物上保証人には、補充性(債務者が弁済できない場合に初めて責任が生じる性質)がある
- 仮に後順位抵当権者になるなら、物上保証人が所有している不動産のほうがいい
分割譲渡
根抵当権の分割譲渡の登記は、主登記で行われる変更登記
ま行
抹消回復登記
- 誤って抹消・更生・変更登記がなされたときに、従前の状態に回復する目的でされる登記
- 一部抹消回復登記は付記登記により、抹消回復登記は主登記による
- 当事者が自発的に登記を抹消した場合のように、適法な原因に基づいて登記が抹消された場合は、回復登記を請求することができない
- 原則、共同申請であるが、相続登記は単独申請
抹消登記
- 「元の登記を完全に抹消する手続き」なので、単なる変更や更正ではなく、新しい法律効果を発生させる主登記として実行される
持分
- 持分を記載しない権利(もちはねちっこいし)
★確定前根抵当権
★地役権
★信託
★処分制限(差押え・仮処分etc)
持分移転登記
- 「新しく持分を移す」登記
- 共有名義の不動産において、特定の共有者が持つ権利の割合(持分)を売買、贈与、相続などで別の人へ名義変更する手続き
持分放棄
- 特定の共有者のみに対する持分放棄はできない
- 意思表示のみで可能で他の共有者の承諾は不要
- 放棄した持分は他の共有者に持分割合に応じて自動的に帰属する
- 「一部の持分だけ放棄」はできず、全持分を手放す必要がある
や行
優先の定め(根抵当権の変更)
- 確定前根抵当権においては、共有根抵当権の根抵当権者の間で、
★異なる割合で弁済を受ける★ある者がほかの者に先立って弁済を受ける
の定めをすることができる - 共有者全員の合同申請(共有物の変更行為)
- 優先の定めのみ、例外的に、元本確定前に合意すれば登記は確定後でもできる(優先の定めは、根抵当権の枠内でどの債権を優先して弁済を受けるかを定めるものにすぎず、第三者の権利を侵害せず悪影響を及ぼさないため)
予備登記
- 対抗力とは直接関係のない登記(仮登記など)
ら行
利害関係人
- 登記申請により不利益を受けることが、登記記録上明らかな者で、かつ申請者以外の者
連件申請
- 複数の登記を「一連の流れ」として連続して処理させる方法
(売主から買主への所有権移転登記と、買主が組む住宅ローンのための抵当権設定登記を連続して行うケース)








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