先物取引って、なにを取り引きするのかしら?
先物取引は、将来の取引を約束するんだモン。
先物取引と聞いて、なにを最初に思い浮かべますか?
”複雑でむずかしそう”
現物取引とは違って、先物取引はギャンブルのイメージがあるかもしれません。
しかし先物取引は、決してギャンブルではないですし、複雑でむずかしいものでもありません。
現物取引は「現在の価格」で取り引きするのに対して、先物取引は「将来の価格」で取り引きします。
両者の違いは、取り引きする商品が「現在の価格」か「将来の価格」だけのことです。
現物取引は手持ち資金の売買しかできませんが、先物取引は手持ち資金以上の売買ができます。
すなわち、レバレッジを効かせて大きく稼げる可能性を秘めているのです。
現物取引を軸にしながら、先物取引でおこづかいを稼いでみませんか?
本記事では、先物取引についてわかりやすく解説しています。
先物取引へようこそ💘
- 九州を拠点に自動車販売店を経営
- 2015年より金融系ブログ作成
- ほったらかし投資が座右の銘
先物取引
先物取引とは、ある商品(原資産)を、将来の決められた日(期日)に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する取引です。
松井証券
現物取引では、商品の価格が下がると売り手は損をします。
しかし先物取引では、商品の価格が下がると売り手には利益になります。
商品の価格が下がると、売り手の利益になる取引。
私たちが日常生活でやりとりしている取引では、まずありえないことです。
現時点では取り引きする価格と数量の約束だけしておいて、将来取り引きする日がきたら約束していた価格と数量で取り引きします。
先物取引は前もって取引の価格と数量をきめておけるので、将来価格が変動するリスクをさけられるのです。
先物取引
商品を受け取るときに商品の価格が上がっていれば、買い手は得をして売り手は損をします。
- 買い手は200円の商品を100円で買うことになる。
- 売り手は200円の商品を100円で売ることになる。
- 先物取引の「買い」では、価格が上がると利益になる。
商品を受け取るときに商品価格が下がっていれば、買い手は損をして売り手は得をします。
- 買い手は100円の商品を200円で買うことになる。
- 売り手は100円の商品を200円で売ることになる。
- 先物取引の「売り」では、価格が下がると利益になる。
先物取引について、現実的(笑)に説明します。
くまケンは、半年後の結婚記念日に金の指輪を買おうと思っています。
ただし、ゴールド(金の指輪の原料)の価格は日々変動するので、金の指輪の価格もゴールドの相場にあわせて上下します。
くまケンは、半年後の結婚記念日に金の指輪をプレゼントすることに決めたのですが、半年後の価格が気になりました。
今日現在の金の指輪は5万円です。
半年後の金の指輪が今日と同じ5万円であれば買えますが、5万円以上になると買えません。
そこでくまケンは、半年後に5万円で金の指輪を買う予約を入れました。
半年後に5万円で金の指輪を買う予約を入れることにより、半年後に金の指輪が6万円になっていても、くまケンは5万円で金の指輪を買えることになります。
買い手(くまケン)は、商品が高くなるリスクが無くなります。
一方の売り手(宝石屋さん)は、商品が安くなるリスクが無くなるのです。
先物取引は、買い手と売り手両方のリスクを取り除いてくれます。
日経225先物
前述の先物取引は、穀物や金などのモノを対象にした取引でした。
日経225先物
私たち個人投資家には、日経平均株価を対象にした日経225先物が身近な先物取引となります。
- 株価指数先物(日経225先物・TOPIX先物・東証マザーズ指数先物など)
- 債券先物(中期国債先物・長期国債先物など)
- 通貨先物(日本円/米ドル先物・ユーロ/米ドル先物など)
- 金利先物(ユーロ円3ヵ月金利先物)
将来日経平均株価が上がると予想すれば日経平均株価を買い、下がると予想(空売り)すれば売ります。
株式の現物取引では株式と現金の受け渡しが行われますが、日経225先物は買うか売るかの約束をするだけです。
買うか売るかの約束をするだけの取引を、差金決済(後述します)といいます。
証拠金
日経225先物には、現金の受け渡しがないかわりに証券会社に差しだす証拠金が必要です。
証拠金を証券会社に預けることにより、現物取引の最大20倍前後の取引ができます。
証拠金は「担保」と同じだモン。
■日経225先物(1,410,000円)
※ミニは1/10・マイクロは1/100
仮に必要証拠金が1,410,000円であれば、日経225先物(ラージ)1つの取引をするためには1,410,000円の資金が必要となります(ミニ=141,000円・マイクロ=14,100円)。
*ラージ・ミニ・マイクロについては後述します。
証拠金
なお、必要証拠金は毎週最終営業日に更新されます。
>>先物・オプション取引のSPAN証拠金額について(楽天証券)
ラージ・ミニ・マイクロ
日経平均株価を対象にした先物取引には、「日経225ラージ」「日経225ミニ」「日経225マイクロ」の3種類あります。
楽天証券の先物アプリ(日経225ミニ)
イメージ
- 日経225ラージ=機関投資家などの大口投資家を対象にした取引
- 日経225ミニは=個人投資家を対象にした取引
- 日経225マイクロ=投資初心者を対象にした取引
ラージ・ミニ・マイクロの最大の違いは、「ラージは日経平均株価の1,000倍」「ミニは日経平均株価の100倍」「マイクロは日経平均株価の10倍」の価格で取り引きすることです。
また証拠金をはじめ、日経225ラージと日経225マイクロでは2倍~200倍の差があります。
ミニとラージの比較
名称 | 日経225マイクロ | 日経225ミニ | 日経225ラージ |
証拠金 | 日経225ラージ の1/100 | 日経225ラージ の1/10 | 日経225ミニ の10倍 |
価格のきざみ | 5円きざみ | 5円きざみ | 10円きざみ |
取引単位 | 日経平均株価の10倍 | 日経平均株価の100倍 | 日経平均株価の1,000倍 |
変動(1きざみ)による損益 | 50円 | 500円 | 10,000円 |
マイクロは1つ(5円きざみ)の上げ下げで50円(5円×10倍)、ミニは1つ(5円きざみ)の上げ下げで500円(5円×100倍)、ラージは1つ(10円きざみ)の上げ下げで10,000円(10円×1,000倍)の損益が発生します。
たとえば、日経平均株価が30,000円のときにマイクロを1枚買って、日経平均株価が30,010円になったときに売れば、10円(実際は100円)の利益です(手数料は除く)。
上記の例がラージの場合は、10円×1,000倍で10,000円の利益となります(手数料は除く)。
日経225ラージには、安易に手を出さないようにしてください。
SQ
日経225先物は、取り引きできる期間が決まっています。
現物株式のように、ポジションをずっと持っていることはできません。
取引できる期間はひと月と決められていて、ポジションを満期日までもちこすと、ポジションは自動的に清算されます。
ポジションが自動的に清算される場合、ポジションと満期日に発表される指数との差額が損益です。
満期日に発表される指数をSQといい、SQが算出される満期日をSQ日といいます。
SQ日
SQ値は満期日の日経平均株価から算出されるのですが、SQ値と日経平均株価の数値は必ずしも一致しません。
SQ値はすべての銘柄の始値(はじめね)が決まってから算出されますが、日経平均株価には取引開始直後の気配値(けはいち)も含まれているからです。
「SQ値」「日経平均株価」ともに、日本経済新聞社が選んだ225銘柄で構成されています。
SQ日(満期日)
- 日経225マイクロ=1月から12月までの毎月第2金曜日がSQ日
- 日経225ミニ=1月から12月までの毎月第2金曜日がSQ日
- 日経225ラージは=「3月」「6月」「9月」「12月」の第2金曜日が SQ日
日経225ラージのSQ月は取引参加者数が圧倒的に多いので、ラージのSQ日がある月をメジャーSQといいます。
限月(げんげつ) | ラージ | マイクロ・ミニ | オプション |
1月 | – | 〇 | 〇 |
2月 | – | 〇 | 〇 |
3月 | 〇 | 〇 | 〇 |
4月 | – | 〇 | 〇 |
5月 | – | 〇 | 〇 |
6月 | 〇 | 〇 | 〇 |
7月 | – | 〇 | 〇 |
8月 | – | 〇 | 〇 |
9月 | 〇 | 〇 | 〇 |
10月 | – | 〇 | 〇 |
11月 | – | 〇 | 〇 |
12月 | 〇 | 〇 | 〇 |
反対売買
約定日から取引最終日までは、ポジションを反対売買して決済できます(約定日とは?)。
保有しているポジションは、満期日(SQ日)まで持ちこまなくてもいいのです。
自動精算
もとい、”持ちこまない” ことをオススメします。
あらかじめ決めておいた条件に達したら、早々に手じまいしてください。
なぜならSQ日が近づくにつれて、大口投資家たちの思惑により日経平均株価が大きく上下に振れやすいからです。
粛々とためておいた利益が、いっぺんに吹き飛ぶだけならまだしも、大赤字になることもあります。
大口投資家たちの思惑に振り回されないように、ポジションは早々に手じまいしましょう。
差金決済(さきんけっさい)
日経225先物では、日経平均株価を対象にした「架空の数字」を売買しています。
取引の期間中、お金はまったく移動しません。
ポジションを決裁したときにはじめて、差金決済により ”得した人と損した人” の間でお金が移動するのです。
差金決済
空売り
先物取引は信用取引やFXと同じように、「売ってから買い戻す」という空売りができます。
空売りにより相場の下落局面でも利益が期待できて、収益のチャンスが2倍にひろがります。
空売り
空売りの流れ(例)
28,500円の日経平均株価を売る。
日経平均株価が28,250円になったら買いもどす。
28,500-28,250=250円が利益になる。
差額250円であれば、ラージでは250,000円(250円×1,000倍)の利益となり、ミニでは25,000円(250円×100倍)、マイクロでは2,500円(250円×10倍)の利益となります。
まとめ
たとえ市場が暴落したとしても、現物取引は投資したお金を失うだけです。
先物取引は資金効率のよいすばらしい投資手段ですが、「借金して取り引きすること」ともいえます。
信用取引(証券会社からお金を借りて取引)のレバレッジが約3.3倍なのに対して、先物取引は約20倍前後のレバレッジです。
信用取引については、信用取引を解説|初心者はレバレッジ1倍からはじめましょう!をご参考ください。
「信用取引」「先物取引」のいずれも、しっかりと勉強して少額からはじめるようにしてください。
- 「ほったらかし投資」とは読んで字のごとく、商品を買ったあとは ”ほったらかし” ているだけの投資方法。
- 「ほったらかし投資」の中身はさまざまだが、投資のプロやAIに売買をまかせるというのが基本。
- 「ほったらかし投資」は、<初心者も始めやすい><少額から始められる><長期投資に有効な>投資方法。
現物取引に慣れてきても、先物取引はお小遣いをかせぐ程度にしときましょう。
それではまた。
コメント